60代で定年後も働く人は「52.8%」! 定年後も働くのは一般的なの?
近年、少子高齢化により労働者人口が減少していることから、高齢者の力を借りて経済や社会を維持する動きが増えてきています。これにより、現在では定年後も働くことが一般的になっているように感じますが、実際にはどれくらいの方が定年後も働いているのでしょうか? この記事では、65歳以上の就業率について解説します。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
5歳~69歳の中で働く人の割合は約52.8%
総務省統計局が実施した「労働力調査」によると、65歳~69歳の就業率は52.8%となっています。10年前の2013年が約39.7%、20年前の2003年が約35.3%であったことと比較すると、10%~15%ほど増加していることが分かります。なお、年齢階級別の内訳は表1の通りです。 表1
※筆者作成 10年前や20年前と比較すると、どの年代の就業率も少しずつですが増加していることがうかがえます。
65歳以上の中で「働きたい」という方が増えている?
10年前や20年前と比較すると65歳以上の方の就業率が高まっているものの、就業に対する意欲が高まっているというわけではないかもしれません。株式会社パーソル総合研究所が2017年から2023年まで継続して行った調査によると、シニア就業者の「何歳まで働きたいか」の回答結果の平均は表2のようになっています。 表2
※株式会社パーソル総合研究所「働く10,000人の成長実態調査2023 シニア就業者の意識・行動の変化と活動促進のヒント」を基に筆者作成 上記の調査結果では、2017年から2023年の間では、シニアの方の「何歳まで働きたいか」という意識はほぼ変わっていないことが分かります。就業率のデータと異なり意識調査は7年分しかないため正確な比較はできませんが、就業率は上昇し続けているにもかかわらず、働き続けたい年齢に関してはあまり変化が見られないようです。 そのため、シニアの就業率上昇は、シニア世代の働く意欲が高まったというよりも、雇用機会の拡大により働き続けられる機会が増えたことや、健康寿命が延びたことなどが一般的な理由として考えられています。