プロ野球FA解禁!動向注目は「万能・鈴木大地、お手頃・福田秀平、守護神・益田直也」
日本シリーズの終了に伴い24日からFA(フリーエージェント)の申請が解禁された。11月1日までの1週間が申請期間となっている。今季国内のFA権を取得したのは23人。“ビッグネーム”のFA権保持者は少ないが、日本一奪回に失敗した巨人に加え、筒香嘉智(27)のポスティングによるメジャー移籍を認めて“ポスト筒香”の補強が急務の横浜DeNA、惜しくもBクラスに終わった中日、ロッテ、投打の補強を球団トップが宣言している阪神など、FA補強に積極的な姿勢の球団も多く、FA権を行使する選手が出てくれば、その動向がオフの話題を集めそうだ。
里崎氏の注目は鈴木大地と大島洋平
ソフトバンクの4連勝で日本シリーズが最短日程で終了となったことで、FA解禁も早まり、一気にストーブリーグに突入することになった。昨年オフは、広島のMVP、丸佳浩(30)、西武の炭谷銀仁朗(32)が巨人へ。オリックスの西勇輝(28)が阪神、打点王の西武の浅村栄斗(28)が楽天に移籍した。だが、今オフのFAでは、西武の秋山翔吾(31)、広島の菊池涼介(29)はメジャー移籍を希望しており、FA宣言の可能性がある選手でAランクの選手は、ロッテの益田直也(30)一人くらい。いわゆる“ビッグネーム”はいない。そのFA市場の中で注目の選手は誰なのか。 元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は「あくまでも、もしFA宣言をするならばと仮定した上で話ですが、注目になるのはロッテの鈴木大地と中日の大島洋平でしょう」という。 「セカンドが手薄なチームが多いですから守備力はもちろん勝負強さのある鈴木大地は複数球団の争奪戦になるんじゃないでしょうか。そして確かな実績のある大島の場合は、確実に戦力として計算ができます」 ロッテの鈴木大地(30)は、今春キャンプの時点からポジションは白紙とされ競争の輪に放り込まれ開幕スタメンにその名前はなかった。沖縄・石垣島キャンプでは、三塁、外野、一塁など、あらゆるポジションにチャレンジしていたが、開幕戦では、日ハムから移籍してきたレアードが三塁を守り、鈴木がスタメン出場したのは、6試合目で一塁だった。だが、勝負強さを見せ、6月までに、3度のサヨナラ打をマークするなど、結果でレギュラーの座を奪い返した。今季の打率.288、15本塁打、68打点の数字は、いずれもキャリアハイである。DH、二塁、一塁、三塁、レフトと、ポジションは固定しなかったが、内外野のどこでも守れるユーティリティプレーヤーで、キャプテンを務めるなど、チームに対しても献身的で性格に癖もない。万能プレーヤーの鈴木のFA宣言に備えて、内野が補強ポイントのチームが獲得リストのトップに入れるのも当然だろう。巨人、横浜DeNA、中日が調査に入っている。 もう一人の注目選手、中日の大島洋平(33)は、今季のFA権取得ではないが、球団と結んでいた3年契約が切れる。現在、中日が懸命に残留交渉中。すでに阪神が獲得調査をスタートしており、大島が、もし残留条件に納得しなければ、FA権を行使する可能性は十分にあるだろう。 今季は174安打で巨人の坂本勇人を1本上回り最多安打をマーク。盗塁も30個しており存在感を示した。計算の立つ大島がFA市場に出るとなると阪神だけでなく他にも獲得に乗り出す球団は複数出てくると考えられる。 そして秘かな人気となっているのが、FA権行使の可能性のある“日本一”ソフトバンクの福田秀平(30)だ。日本シリーズの第2戦でもダメ押しの2ランを放ち、第4戦では、巨人の先発、菅野智之キラーとしてスタメン抜擢された。しかも、福田はFAのCランクで推定年俸は3600万円。選手に手厚いソフトバンクの中では、サラリーが非常にお手頃なのだ。すでに中日、ヤクルト、西武、楽天など複数球団が調査を行っている。