会社員→フリーランスへ。ミニマリストかぜのたみが自分軸で自由に働けるようになったきっかけは?
「働く=就職する…という幻想」
著者は人生の長いあいだ、「働く」=「会社員」だと頑なに信じていたのだそうです。そして、会社に馴染めない自分を社会不適合者だと感じ、働くことが嫌になりかけていたといいます。 しかし、とある無職期間中に知人から仕事を振られ、フリーランスのライターとして働きはじめたことが大きな転機となったようです。その結果、自分はひとりで働くほうが向いているということがわかり、気持ちが楽になったというのです。 会社員のように月給のない暮らしには、経済的な不安もあることでしょう。 しかし、めんどうな人間関係や気晴らしのための出費が減り、いろいろな意味で自由度が上がったということ。しかも億劫なことから離れてみた結果、自分が「なにをしたいか」に立ち返ることができたのだそう。 長いときは1日15時間くらい座って原稿を書き続けたこともありましたが、苦痛だとも思わず、むしろ一つのことに集中して取り組めるのが何よりもラクでした。(160ページより) 当時はいまほど「自宅で働く」ことが普及していなかったため、著者自身も家で仕事するなど想像もしていなかったといいます。 しかし、結果的には心の負担が90%以上減ったようです。なぜなら、毎日電車に乗って通勤したり、化粧や仕事用の服に着替えるなどの細かな配慮を一切しなくてよくなったから。 それは、「どこかに勤めなくてもいいんだ」と新たな働き方の選択肢が加わり、「組織に所属していないと路頭に迷う」というイメージが覆された瞬間でもあったそうです。 いまでもですが、フリーランスで働いていると住まいにとらわれることもないので、自然豊かな地方に住んでみたり、また都会に戻ってみたりして、人生の早めの時点で住む場所を自由に決められたのも良かったなと振り返ります。(160ページより) たとえ収入が不安定でも、時間と固定された住まいから解放された経験は著者にとって貴重だったといいます。(159ページより) 著者の暮らしがそうであるように、肩肘を張ることなく、できることを無理なくやっていこうという考え方が基盤となった一冊。そのため、読んでみるだけで気持ちが楽になる可能性は大いにあると思います。 低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。 [ かぜのたみ ] 1,540 Amazonで見る 1,540 楽天で見る >>Kindle unlimited、99円で3カ月読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 朝日新聞出版
印南敦史