「お金」より見えにくい、潰れそうな会社が発する「組織」のシグナルとは?(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■会議に不要な人材が集まってくる
会議はもともと必要なものです。企画会議、営業会議、戦略会議......いまはオンラインツールも充実していますので、必ずしも一堂に会する必要があるわけではありませんが、この会議に「オブザーバー」や「顧問」とか「相談役」とか参加者が増えてくるとちょっと心配です。 なぜなら、会議で様々な意思決定がされることは重要ですが、それに必要のない社員が参加しているということは、その社員は利益に直結するような仕事をしていないことになるから。会議ばかり、会議だらけの会社は営業ができてないという見方もできます。 はたまた、すでに経営から降りた前会長が会社に来たから会議に参加してもらって、ありがたい助言をいただく。前会長が参加するからには、会社の主要人物は集めなきゃならない。さらに前会長が来たからには、会議のあと一席設けないと......というのも、本末転倒。 要は、なんのための会議なのか。会議のための会議になっていないか。軽目のシグナルですけど、そりゃ会議ばっかりやっていたら、何も進まないですよねってことです。
■社員のSNSに無頓着な会社は危険
これも全部が全部統制できるかといえば難しいのですが、社員のSNSに関して無頓着、無関心なのはちょっと怖いかなと考えます。 いまや一夜にして炎上し、倒産にまで陥ってしまう時代です。以前に話題となった「バイトテロ」など、社員のSNS運用によって会社経営に回復不可能なダメージを負ってしまう可能性があるわけで、少なくとも秘密保持契約や仕事中のスマホ利用などには一定の制限をかけておくべきです。 最近では、SNSで自ら情報発信する社長も少なくありません。見栄や承認欲求からくる投稿などは、経営者のSNS投稿の特徴ですが、社長にせよ社員にせよ、多くの場合「見られている感覚」が欠如していることが炎上や低評価の要因です。 仮にフォロワー数が多くなかったとしても、そこはオープンなインターネットの場。FacebookのようなクローズドなSNSでも、いまはスクショを撮られてX(旧Twitter)で拡散なんていうのも当たり前で、中にはLINEのやりとりやSNSのDMのやりとりまで公開されてしまう時代。 そういう意味では、小さなことにもスキのない会社が潰れにくく、情報発信に楽観的な会社は危険ということになるでしょう。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。