「巨人・阿部野球は何が変わった?」原監督時代はあり得ない阿部慎之助監督の“逃げ切りプラン”…捕手・小林誠司に代打を送らなかったワケ
極端な投高打低の傾向
ここ2、3年、特に昨年くらいから日本のプロ野球は極端な投高打低の傾向にある。 「いまの野球はある程度、点が取れないと勝てない。そのためにいかにその手立てを持って、決断できるかが監督の大きな仕事になると思う」 こう語っていたのは第2次政権時代の原前監督だった。 実は原前監督が3度目の監督就任を果たした前後の日本のプロ野球は、完全な打高投低の時代だったのである。2019年のセ・リーグの1試合平均チーム得点は4.20。つまり5点取らないと勝てないということだ。 もちろん個別の投手によってゲームプランは変わってくる。しかしそれでも基本的に監督は2、3点勝負の守りの野球ではなく、ある程度の打撃戦を想定して、点を取るためのプランを考えながら試合を進めなければならなかった。それが原前監督の言葉の意味である。
1試合平均得点は減少
ところが実は2018年、19年くらいから、徐々に様相は変化してきていた。この頃を境に徐々に投高打低の兆候が出だしてきて、昨年から今年にかけてはさらにその傾向に拍車がかかってきているのである。 昨年のセ・リーグの1試合平均得点は3.51まで下がり、今季は4月18日時点で同2.76まで落ちてきている。 3点を境にした勝負。これが現時点でのセ・リーグ(パ・リーグも似たような傾向で同18日時点で1試合平均得点は2.99)の野球の現実である。昨年の覇者・阪神が球団ワーストタイの10試合連続2得点以下を記録したり、はたまた投手力が高い中日が接戦を凌いで勝ちきり首位に立っていたのも(20日時点)、こうした投高打低現象を考えれば納得がいく。 そして2019年と20年に原監督の攻撃野球で連覇を果たした巨人が、徐々に力を失いこの2年間はBクラスに沈んだ原因も見えてくる。投手力を中心に守りの野球ができる岡田阪神の優勝も、やはり打力でリーグ連覇したヤクルトが、一気に凋落傾向にある原因も、全てとは言わないがこの数字で説明がつくところがあるだろう。 これがいまの日本のプロ野球である。
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