極寒のキャンプ…監督がメディアについた“ウソ” 駐車場で自主トレ、新球団の衝撃発進
寒かったキャンプ…“見栄”張った根本監督「さすがフロリダ!」
西武は2月上旬には米国フロリダ州ブラデントン市で第2次キャンプを張った。松沼氏は「嘘をつくのが大変だったんですよ」と思い出し笑いする。一体どういうことなのか。 キャンプ地と言えば当然ながら温暖な印象しか浮かばない。ましてや米フロリダ州。「でも到着してみたら、寒くて寒くて。縮こまっていたんですよ。あまりに寒くて夜もなかなか眠れなかったぐらい」。ところが、根本陸夫監督は役者だった。「半袖姿になって『さすがフロリダ!』とか仰るんですよ。そうか、プロってマスコミに向かって良い事を沢山言わなきゃいけないのだな、と学びました」。 内容はどうだったのだろう。「プロの練習といえば、厳しいイメージがあるじゃないですか。ところが、何一つ厳しいのがない。球場の管理が厳しくて朝から晩まで使える環境じゃなかったんですよ。午前中に動いて午後は宿舎に帰るパターンがほとんどです」。 自身の調整につていも「ブルペンでも投げましたけど、ただ投げたって感じでした」と振り返る。「投内連係とかのメニューもあんまりやった記憶がないですね。ウオーミングアップしてキャッチボール、ピッチングをしたら走って終わり。厳しいという思いは全くないキャンプでしたね」。 新生ライオンズはフロリダ各地を巡りパイレーツ、ホワイトソックスなどと対戦し、その後はハワイでパドレスと戦った。計19試合のオープン戦で8勝10敗1引き分け。50日間以上の海外滞在を終え、4月3日に帰国した。7日の開幕は目前に迫っていた。 松沼氏は社会人・東京ガス時代の前年末に結婚したばかり。以降はプロ球団との交渉から入団、そして長期間のキャンプ、オープン戦を過ごした。「僕は新婚さんだったんでけど、その間は奥さんをほったらかし。女房にはいまだにその事を言われます」と頭をかくのだった。
西村大輔 / Taisuke Nishimura