ハルカミライ VS w.o.d. 大阪で迎えた最終日に見た「音楽」という奇跡
w.o.d.主催の対バンツアー「w.o.d. presents “スペース・インベーダーズ VI」。東名阪3カ所を巡ったツアー最終日、大阪 GORILLA HALLでの対戦相手にw.o.d.が選んだのは、あらゆる世代から支持を集めるバンドヒーロー、ハルカミライだった。 【全ての写真】w.o.d.×ハルカミライが競演した『スペース・インベーダーズ VI』大阪公演(全15枚) 「あれ?俺たちテンポ遅い?」1曲目に投下した「君にしか」を演奏中、一瞬で興奮の坩堝と化したフロアに向かい、須藤俊(b)がしれっと煽る。 「もっとやれると思ってたんだけどね」と、髪と同じ赤のラインを頬にペイントした橋本学(vo)が須藤の言葉に便乗して煽り、歓声をあげる客の頭上にダイブ。w.o.d.の物販グッズ(パジャマ)を着た橋本は大の字状態で観客に担ぎ上げられながら歌う。ステージサイドには、観客と視線を合わせて音を鳴らすギターの関大地の楽しそうな姿が見える。 「ここ2~3年、イケてるやつらがいるなーと横目で見てたんです、俺、w.o.d.のこと。対バンに呼んでもらってめちゃくちゃうれしいです。ワケわかんないくらいぐしゃぐしゃにしていくんでー!」対バンへの感謝を告げた橋本は、観客に自分の両足を支えてもらい、観客の肩の上に立ちながら「ファイト!!」を歌う。そして「靴ヒモ結んでー!」と観客に頼み、結んでくれた観客と熱いハイタッチを交わす。 「音楽はわがままでいい、音楽は自分勝手でいい。出せるもん出して、おもっくそ発散して帰ってくれ」そう叫ぶ橋本に拳を突き上げて応える観客。MCと歌、ステージとフロア……全部の境界が曖昧になって熱く混ざり合うこの感じこそハルカミライのライブの醍醐味だ。 アカペラで始まった「世界を終わらせて」を歌っている途中、橋本がうれしそうに話す。 「今日の打ち上げ、焼肉なんだって。俺のいちばんの大好物」橋本にとっての焼肉や寿司のように、ここに集まった人それぞれに好きなものや譲れないものがある。将来のことや夢、不安を抱える人もきっといるだろう。そんな互いの事情を知らない者同士が「音楽が好き」という共通項だけで集う「ライブ」という奇跡を讃える橋本。彼の言葉に聞き入っていた観客のひとりが、首に巻いたタオルで込み上げた感情を拭っている姿が見える。 全観客の心をわし掴みにし、ワンマン級の熱量を放つステージを繰り広げたハルカミライ。果たして、w.o.d.はこの熱気にどんな風に立ち向かうのか!? サイケデリックな60’sロックのSEが鳴り響く中、ステージに登場したサイトウタクヤ(vo/g)、Ken Mackay(b)、中島元良(ds)。元良が座るドラムセットの前に全員で集い、互いに視線を合わせた直後、「STARS」の歪んだギターがフロアに鳴り響く。ベースのKen Mackayの躍動感ある演奏と動きに眼を奪われる中、「楽園」→「Fullface」と畳み掛けるように轟くバンドグルーヴに、オーディエンスそれぞれが利き手を突き上げ、思い思いに身体を揺らす。 「ハルカミライやばいな。泣いてたもん、袖で見ながら。最高、ヒーロー、超カッコいい! 呼んで良かった!」歓声が沸くフロアに向かい、今日の対バンに本気で挑んだハルカミライについて、ボーカルのサイトウタクヤがうれしそうに話す。