認知機能が向上する!? 「後ろ歩き」がもたらす4つのメリット
フィットネストレンドといえば、自宅でリラックスして取り組める軽い有酸素運動「コージー・カーディオ」から、高い理想を追求する「75ハードチャレンジ」まで、私たちはいろんなタイプの運動を試してきた。 【写真】夕食後に毎日15分のウォーキングをした結果 そして最近、TikTokやInstagramで頻繁に登場し始めたのはなんと、「後ろ歩き」。確かにウォーキングは簡単で、負担も少なくてコストもかからない。既存の運動ルーティンに取り入れやすそうではあるものの、これはただ流行っているだけ? それとも、本当に実行する価値があるのかな? この疑問に詳しく答えてくれたのは、フィットネスファーストのパーソナルトレーナー、ジェームズ・バー氏。イギリス版ウィメンズからみていこう。
後ろ歩きがもたらす4つのメリット
1. 筋肉が強化される バー氏の説明によると、後ろ歩きは「ハムストリングスや殿筋、腰など、通常の前歩きでは使わない筋肉を集中して使うため、筋肉のバランスや筋力の全体的な向上につながる」とのこと。学術誌『The Indian Journal of Physiotherapy and Occupational Therapy』に掲載された研究では、変形性膝関節症患者が従来の理学療法に加え、後ろ歩きを取り入れたことで、大腿四頭筋の筋力に改善がみられている。 2. 認知機能が向上する 「後ろ歩きをするには高い注意力と集中力が必要であり、これが認知機能と空間認識の向上に役立ちます」とバー氏。『Gait and Posture』誌が発表した研究が指摘するように、グローバル認知機能(注意、記憶、言語流暢性、言語、視空間認知能力からなる5つの認知領域)は前歩きではなく、後ろ歩きに関連付けられている。理由は、前歩きと違って後ろ歩きはより難しく、馴染みのない動きであるからだと考えられているよう。 3. 姿勢が改善される 「正しいフォームで後ろ歩きをすることにより、体幹の筋肉を鍛えられ、姿勢をまっすぐに正すことができます」とバー氏。 4. 認知症から脳を守る 「歳をとるにつれ、脳は収縮します。それが少し怖いと思ったら、ウォーキングでその進行を遅らせることができますよ」とバー氏。 「2020年に行われたフロンティア研究では、肥満や過体重の人がウォーキングをしたところ、記憶と情報処理を司る脳の領域(前頭前野と海馬)がそれぞれ大きくなることが示されました。また、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究では、運動が海馬の体積を2%増加させ、加齢による海馬の体積の減少を1~2年分取り戻せることが示唆されています」