年収350万円、体重100kg、趣味は「酒、麻雀、バイク、風俗」…52歳男性に結婚相談所が伝えた「残酷なひと言」
■「主体的に動く」ということが苦手 ヒラタさんは40代半ばを超えてみずからの人生を振り返った時、一貫しているのは、「みずからの力で何かを成し遂げる」「主体的に動く」ということがつくづく苦手だと実感した。 就職にしろ、結婚にしろ、こういう業界で働きたい、こんな女性と家庭を築きたいという意思がまったくといっていいほどないのだという。 「でも、大学を出てすぐのとき、それこそどこか適当な企業に就職が決まっていれば、そこそこうまくやっていけたと思うのです。結婚もそう。きちんとした会社に就職していれば、そういう相手もいて、今頃は家庭を持っていただろうと……」 このヒラタさんの言に反発を覚える向きもあろう。同時に、「わかるわかる」と共感する向きもきっとあろう。 進学、就職、結婚――、これらすでに敷かれてある人生のレールをはみ出さないように気を配る。それならば生きていけるという人は決して世の中では少ないはないはずだ。 しかし大学卒業時はバブル崩壊、氷河期のはじめで就職につまずき、ここから人生のレールがなくなり、みずからの足で歩かなければいけなくなった世代、それがヒラタさんをはじめとする1970年から1980年生まれまでの世代だろう。 ■結婚相談所から示された「条件」 1971年生まれのヒラタさんは、今年53歳となる。両親経営企業の役員。仕事は人任せ。趣味は風俗通い、麻雀、パチンコ、パチスロ、酒、サバイバルゲーム、車とバイクである。 そんなヒラタさんだが人生の折り返し地点をとうに過ぎた今、今度こそ人生の金字塔を打ち立てるべく、「最低でも7歳以上年下、高身長でキレイな女性との結婚」を目指していくつかの結婚相談所や“仲人”をしている人生の先達の門を叩く。 その結果は意外なものだった。門を叩いた結婚相談所のいくつかが「良縁をまとめられる可能性あり」とヒラタさんを前向きに受け入れたからだ。 「非正規雇用ではなく、ご両親経営企業の役員ということで一応“正規雇用”です。年収額も正規雇用で300万円以上あれば良縁をまとめられます。十分、その枠内に入っていますから」 ヒラタさんが入会した結婚相談所代表はこう胸を張る。しかし、こうつけ加えた。 「これから服装、ファッションセンスを変えていただきます。髪型も。趣味は『呑む、打つ、買う』は論外です。やめていただきます。サバイバルゲームは山歩き、ハイキングへと変えていただきます。それなら3年間の土日、見合いしていただければ、どうにかできます――」