米議会下院、「つなぎ予算」案を可決 政府機関閉鎖、回避へ前進
米連邦議会下院は20日夕、米政府の来年3月半ばまでの資金繰りを支える「つなぎ予算」案を可決した。法案は上院に回され、同日中に可決される見通し。資金不足で一部政府機関が閉鎖を余儀なくされる事態は、ぎりぎりで回避されそうだ。 下院は賛成366、反対34の賛成多数で法案を可決した。法案は、期間限定で政府の資金を手当てしている現行のつなぎ予算の期限を、12月20日から来年3月14日に延ばすもの。政府閉鎖の回避には、この法案の20日中の議会通過が必要だ。 法案は下院共和党執行部が20日に示した。もともと準備していた超党派の法案は、トランプ次期大統領らの反対で頓挫。トランプ氏の意に沿うように同執行部が法案を作り直したが、19日の下院採決では、民主党や共和党の一部議員の反対にあい、否決されていた。三つ目の法案でようやく可決にこぎつけた。 下院共和党トップのジョンソン下院議長は可決後、「彼(トランプ氏)もこの結果が国にとっていいことだと知っていると思う」と述べ、トランプ氏も法案の下院通過を支持しているとの見方を示した。 米国では新会計年度が10月に始まったが、議会内の党派対立でいまだに通年の政府予算案を可決できていない。20日中の予算措置に失敗すれば、一部政府機関で人件費などが支払えなくなり、行政サービスが滞るおそれがあった。(ワシントン=榊原謙)
朝日新聞社