面接官「わが社の平均年齢より高いですね」 50代転職者「私もそう思います」←“採用される人”の回答【キャリアコンサルタントが解説】
面接官:「若い社員があなたの上司になりますが、気になりますか」
■NG回答の例 「いいえ、私は気になりません。これまでも【❶私より年齢が若い人とともに仕事をしてきました】。最近の若い人は腰が低いですから、このような【❷おじさんにも気軽に質問をしてくれます】。御社に入りましても、【❸きっとうまくいくと思います】。」 × ❶⇒「年下の上司」というところが面接官の気になる点であって、「若い人と仕事してきた」は誰もがそうであるため理由にならない。 × ❷⇒ユーモアを入れたつもりだが、一般的に若い人は目上の人を立てる。そのことを理解していない。 × ❸⇒根拠がない ---------------------------------------- <採用に近づくヒント> 年齢は社内の人間関係に影響があることを自覚し、どのように周囲の人と関われるかをアピールしましょう。「年齢が上だから」「経験があるから」といった意識ではなく、共に支え合う姿勢が好まれます。 ---------------------------------------- ■OK回答の例(1) 「【(1)御社の平均年齢を拝見】して、その可能性があると思いました。私には大学生の息子がおります。【(2)息子たちのような若い人の意見は大変刺激があり、勉強になります】。これからの日本はそういった若い人たちが作り上げていくわけですので、【(3)私ができることといったらしっかりとついて行くことです】。【(4)上司役はときに孤独で辛いこともあると思います】。そんなときは、上司部下の垣根を越えて、【(5)互いに支え合える関係】になりたいと思っております。」 ◎ (1)⇒企業分析ができており、事情を把握できている。 ◎ (2)⇒具体的な根拠が言えている。 ◎ (3)⇒ユーモアの描写もスマート ◎ (4)⇒上司という役割の大変さを理解しているという発言 ◎ (5)⇒人間として支え合いたいという姿勢を伝えられている ■OK回答の例(2) 「【(1)そのように理解しております】。むしろ若い上司の元で働けることを今から楽しみにしております。実は、毎週日曜日に地域の【(2)ランニンググラブに入って】みんなで走っているんです。【(3)そこのリーダーは30代の女性でして】、モチベーションをアップさせる声掛けが上手なんです。【(4)私もいつも励まされますし、学ぶことが多いと感じます】。とはいえ、上司になんでも任せるのではなく、【(5)私自身もどうすればチーム全体で仕事がはかどるかを考える】所存です。」 ◎ (1)⇒シンプルに理解していると伝えられている ◎ (2)⇒健康増進へのアピールができている ◎ (3)⇒身近にそういった人がおり、慣れていることが伝えられている ◎ (4)⇒その経験から良い関係性が具体的に伝わってくる ◎ (5)⇒自身の関わり方について主体的に述べられている 中園 久美子 キャリアコンサルタント・講師、キャリアクレッシェンド代表 経理専門学校卒業後、大手通信社勤務を経てパソコン講師として活動。子育てや夫の転勤に伴い、何度も転職を余儀なくされる。現在はキャリアコンサルタントとして多くの面接指導を行っている。 著書に『それでも書類選考で落とされない履歴書・職務経歴書の書き方』(日本実業出版社)、『【完全攻略】オンライン・WEB面接「リアルじゃない」を武器にする内定獲得ノウハウ86』(ダイヤモンド社)がある。
中園 久美子