<ボクシング>最悪、WBA脱退も JBCが「河野 vs 亀田」のWBA入札に異例の物言い
これまでもJBCは、WBAが暫定王者を乱立したことを見かねて混乱を避け世界タイトルの権威を維持するため、暫定世界タイトル戦の国内開催を公認しない処置をとってきた。ただWBAからの正式脱退となると東西のボクシング協会など興行に関わる関係各所の理解が必要で簡単には運ばない。またIBF、WBOを認可したばかりで、また加盟、脱退を繰り返せば、逆にファンからの信用の失墜にもつながりかねない。今回のJBCの見解発表は、WBAがローカルコミッションであるJBCの立場を無視して、まるで裏で誰かの要望を聞き入れているかのような不可思議な動きを見せているため、それへの牽制の意味もあって行われたようだ。 だが、入札の期日が迫っていることもあって現実問題として17日の入札中止は難しいだろう。すでにワタナベジムの渡辺会長は、30万ドル(約3000万円)を用意して、入札に臨む姿勢を明らかにしている。亀田側が、落札して指名試合が海外で行われる場合は、JBCの管轄外となって問題はないが、問題が再燃するのはワタナベジムが落札に成功したケース。渡辺会長は「JBCルールに従う」とJBCに伝えていて、非公認試合でも世界戦を強行する考えは持っていないが、その場合、なんらかの善処策をJBCに求めると見られている。 ある意味、チャンピオンを抱えながらWBAとJBCの板ばさみに合っているワタナベジムが、入札にまてもつれた今回の問題の最大の被害者とも言える。興行権を落札しながら放棄する場合、河野のタイトルが剥奪される可能性もあって、ワタナベジムを救済するために、亀田興毅に1試合限定の特別ライセンスを発行するなどの特別処置も議論になってくると考えられる。あくまでもワタナベジムが落札した場合という仮定の話になるが、それについて秋山理事長は、この日、「ワタナベジムが落札した場合は、その条件などを見てからでないと仮定の話にはコメントは出せない。1試合の特別ライセンス? そういうことは一切考えていない」と完全否定した。いずれにしろ、どのプロモーターが「河野 vs 亀田」戦を入札するかによって“亀田問題”は、新たな展開を迎えることになりそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)