<ボクシング>最悪、WBA脱退も JBCが「河野 vs 亀田」のWBA入札に異例の物言い
JBC(日本ボクシングコミッション)は9日、文書でWBA(世界ボクシング協会)がWBA世界Sフライ級王者、河野公平(33歳、ワタナベ)と同級2位の亀田興毅(28歳、UNITED)の指名試合の入札を指示した件について異例の見解を発表した。指名試合の入札は17日パナマで行われ、最高値で落としたプロモーターが「河野 vs 亀田」戦の試合開催(興行)の権利を手にすることになるが、JBCは、例えワタナベジムが国内での興行権を落札したとしても日本でのボクサーライセンスを持たない亀田興毅の試合は認めない立場を強調した。 また同時にWBAに対する抗議とも取れる見解も明らかにした。これまでJBCがWBAに対して再三に渡ってライセンスを持たない亀田興毅の試合は日本で認められないことを文書で伝えているにも関わらず、河野と他挑戦者との試合を優先させず、亀田との指名試合の入札という形を強行してきたこと、しかも、ランキング2位の亀田が、なぜ指名挑戦者に選ばれるのかという点に疑念を持っていることを表明。文面には「当財団といたしましては、今後のWBAの「世界王者」や「世界タイトルマッチ」に対する取り扱いを再考している時期に来ているのかもしれない」と書かれ、今後のWBAの対応いかんでは、最悪、WBAからの脱退も視野に入れていることを示唆した。 秋山弘志・理事長は、この日、緊急会見に臨み、「現状では例えワタナベジムが落札しても日本での亀田興毅選手の試合は認められない。ただ、チャンピオン側には権利があり、入札はビジネス上の問題なので、ワタナベジムに降りろなどと言える立場にはない。(亀田興毅にライセンス復帰の)道はあるのだから、(移籍先を探すなどの)努力をする必要があると思う。またJBCは、WBAに入札を中止にしろとか要望のできる立場にもないが、これまでも伝えてきた(亀田興毅の国内でのボクサーライセンスを認めていないという)JBCの対応をWBAにも斟酌してもらいたい。そもそも2位の選手が1位や暫定王者を飛び越えて指名挑戦者に選ばれることがいかがなものかと疑念を感じている」と語った。 記者から改めてWBAからの脱退の可能性を問われると、「見解は文面の通り。これからのWBAの信義と公正に期待しているということ。それに(脱退には)ボクシング協会の考えもあるしJBCだけで決めることのできる問題ではない」と説明した。