天才贋作師・ベルトラッキのニセモノ? 数千万円の所蔵絵画に疑い…フェイク作品の法的問題とは
●贋作の作成、販売は「刑事罰」に問われる可能性がある
こうした「贋作」は法的にどのような問題があるのだろうか。室谷光一郎弁護士に聞いた。 ――いわゆる「贋作」を作成することはどのような罪に問われますか? 国内法でいえば、権利や義務や事実の証明にあたる文書・図面の類あれば、その作成は私文書偽造罪(刑法159条)や、公文書偽造罪(刑法155条)にあたる可能性があります。 偽造の印であれば、その作成は私印偽造罪(刑法167条)、公印偽造罪(刑法165条)、御璽偽造罪(刑法164条)にあたりうるでしょう。 また、著作権の保護期間中であれば、著作権法違反(21条)にあたる可能性があります。さらに商標法違反(78条)や不正競争防止法違反(2条)として、刑事罰に問われることもあります。 ――もし贋作を販売したらどのような罪に問われるでしょうか? 贋作であると知っていたにもかかわらず、本物だと他人を欺いて販売することで、利得を得ようとした場合には、詐欺罪(刑法246条)にあたる可能性があります。 【プロフィール】 室谷光一郎(むろや こういちろう)弁護士 1975年大阪府高石市生まれ。1999年一橋大学社会学部卒業、2001年一橋大学大学院社会学研究科終了。テレビ・出版関係の会社勤務を経て、2008年司法試験合格、2009年弁護士登録(大阪弁護士会)。 事務所:室谷総合法律事務所 URL:https://murotani-law.jp/