センバツ呉・支える人/下 応援団・檜垣凌雅団長(2年) 選手別、攻める応援歌 /広島
<第91回選抜高校野球> ◇檜垣(ひがき)凌雅団長 センバツで、部員と吹奏楽部、チアダンスチームを合わせた総勢100人を超える応援団をまとめるのは檜垣(ひがき)凌雅団長(2年)だ。「野球部の応援のために多くの人が集まってくれて本当にありがたい」と話す。 広島市立国泰寺中学出身。「甲子園に出たい」という一心で内野手として呉に入学し、寮生活をしながら練習に打ち込んだ。しかし1年生の秋、左膝の骨の一部がはがれるけがをした。医師からは「安静にしていたほうがいい」と言われたが、ベンチ入りしたくて、痛みを我慢して練習を続けた。痛みがなくなるまで約3カ月間、指導陣にも隠していたという。しかし、2年生になってもメンバーには選ばれず、今回もベンチ入りはかなわなかった。悔しさが募ったが、直後に応援団長に選ばれ、「夏に向けて仕切り直し。今は、気持ちよく応援しよう」と切り替えた。 吹奏楽部と協力しながら、30曲以上あるレパートリーの中から、選手別の応援歌を作っている。他校の応援歌なども参考にしながら、攻める気持ちを前面に出す歌詞を決めていった。 昨秋の県大会でスタンドで応援していた時のこと。対戦相手の応援の迫力に押されて萎縮してしまい、声もあまり出なくなった。その雰囲気を一変させたのが、グラウンドで躍動する選手だった。「応援する側が選手に勇気づけられて恥ずかしかった」。甲子園では、学内外の人と一緒に応援できるようOBらに協力してもらい、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で振り付けを解説する動画を発信。アルプス席も一丸となって選手の背中を押していく決意だ。 今月8日には、同校の体育館でチアダンスチームと本番を想定して、スタンドでの配置を確認。応援団のかけ声などに合わせて一緒に踊った。その後は音楽室に行って吹奏楽部とセンバツで演奏する曲を確認するなど忙しく動き回った。今後は全体練習を重ねていく予定で、「まだまだ未完成な部分はあるけど、本番までに完璧に仕上げる。センバツでは、甲子園を『イチクレ』色に染めたい」と意気込んだ。【隈元悠太】