入念な研究で意表突くプレー 国学院久我山が好発進 高校ラグビー
◇全国高校ラグビー大会2回戦(30日・東大阪市花園ラグビー場) ◇○国学院久我山(東京第2)32―5日本航空石川● 【写真特集】国学院久我山-日本航空石川 国学院久我山は、相手の意表を突くサインプレーがズバリはまった。 前半6分、ゴールラインまで約20メートルで相手陣のラインアウト。スローインをする国学院久我山のフッカー笠井大志の視線は、空中の選手ではなく手前だった。スローインをすると見せかけ、手前に走り込んできたロック吉沢輝にパスを出した。さらにそこから笠井がパスを受けると、そのままライン際を走り抜け、左隅のゴールラインに飛び込んだ。 狙いはこうだ。「相手の映像を見たらラインアウトがすごくうまかったので、(空中で)競り合うよりは空いていそうな前で」と笠井。相手が日本航空石川に決まってから準備を重ねてきたといい、「練習ではうまくいかなかったけど、緊張している中できれいに決まって良かった」としてやったりの表情だった。 前半14分にもラインアウトからモールを形成するとそのまま押し込み、最後は笠井がトライを決めた。高校日本代表候補である笠井の父は、元日本代表のプロップ建志さん。父からスクラムで低く当たるコツを教わったといい、「スクラムは特に力を入れてきたので自信を持っている」と振り返った。国学院久我山は前半に笠井の2トライで主導権を握ると、後半にも3トライを挙げて快勝した。 チームは過去5回の優勝を誇る伝統校。キックで陣地を獲得し、FW陣が前線で押し込む展開を持ち味としている。当たり負けしないFW陣に加え、後半はバックス陣もスペースをうまく使った「展開ラグビー」を披露。上々の滑り出しを見せた。【皆川真仁】