5月14日からギャンブル等依存症問題啓発週間 鳥取県内での支援は
「ギャンブル依存症には勝てないと分かった」鳥取県内での当事者支援は
今月14日から20日は厚生労働省が定めるギャンブル等依存症問題啓発週間です。メジャーリーグ ドジャースに所属する大谷翔平選手の元通訳の問題などで大きく取り上げられることが増えたギャンブル依存症。治療に取り組む当事者や、県内での支援の取り組みなどを取材しました。 ケンジさん(39歳) 「借金は200万くらいあった。カードローンを自分の借金だと勘違いして無くなったらすぐ借りていた。」 米子市在住のケンジさんは、4年前からギャンブル依存症の治療に取り組んでいます。18年前、同僚の誘いでパチンコにはまり次第と毎日店に通うようになりました。 ケンジさん 「数千円が3万円くらいになったときがあった。最後の方は仕事を休んでうそをついてパチンコ店に行っていた。」 ケンジさんは、現在は家族や依存症支援のグループの助けも借りながら、およそ4年間、ギャンブルをしない生活を続けられていると言います。 ケンジさん 「ギャンブル依存症は完治がない病気。自分も二度とギャンブルをしないとは言えない。一日ずつ積み重ねていくしかない。」 ギャンブル依存症とは、パチンコや競馬などによって、その人の人生に大きな損害が生じるにも関わらずギャンブルをしたい衝動が抑えられない状態の事です。厚生労働省によりますと、この病に苦しむ人は約320万人に上ると見られています。 ギャンブル依存症に苦しむひとたちを支援しようという取り組みは、鳥取県内でも行われています。 今月12日米子市内で開かれたのは、今月14日からのギャンブル等依存症問題啓発週間に合わせたセミナーです。県内で支援活動を行う全国ギャンブル依存症家族の会 鳥取が開催し、依存症の当事者やその家族などおよそ50人が参加しました。 鳥取県によると、ギャンブル依存症の相談件数は、2022年度(令和4年度)に県内で66件。新型コロナウイルスの流行で、自宅でできるオンラインカジノやスマートフォンで馬券を買えるアプリなどが普及し、依存症患者は現在も増加中だという事です。 ケンジさんは、現在この会の中で治療に励む当事者として、自身の体験やどのように治療を行っているかなどを発信する活動に取り組んでいます。 また、ケンジさんは現在ギャンブル依存症の当事者同士が集まり悩みなどを話す会を開いています。同じ悩みを持つ仲間ができたことで、病気や治療に対して前向きに取り組むことができるようになったと話します。 ケンジさん 「ギャンブルに苦しんでいたときは笑って過ごせなかった。自分のこの姿をいま苦しんでいる人に発信して、助けられたらと思う。」 「今は、ギャンブル依存症には勝てないことが世間的な認識。弱い自分を受け入れて、どう向き合っていくかが大切。多くの支援グループがあるので、一人で悩まないでほしいと思う。」