【社会人野球】FedExが都市対抗出場に初王手…145キロ右腕、山登涼哉が好リリーフ
◆都市対抗野球▽北信越地区第2次予選・準決勝 FedEx3-2BANDITS富山(8日・富山市民球場) 都市対抗野球(7月19~30日・東京ドーム)の北信越地区第2次予選・準決勝が8日、富山市民球場で行われ、FedEx(長野・塩尻市)が3-2でIMF BANDITS富山(富山市)を下し、決勝進出を決めた。7回に先制され、リードされる展開となったが、1-2の9回2死二塁で9番・河野真大右翼手(23)が右越え2ランを放って逆転サヨナラ勝利。ホームに生還して雄叫びを上げると、仲間と抱き合って喜びを爆発させた。河野は「プレッシャーは結構あったが、後ろにつなごうと思った。打った球は覚えていないです」と満面の笑顔を浮かべた。 生まれ故郷の球場で、好リリーフを見せたのが、富山県出身の145キロ右腕、山登涼哉(23)だ。4回から登板すると、143キロの速球や105キロのスローボールを交え、3イニングを2安打、無失点に抑えた。スタンドでは家族や地元の友人が見守る中、「多くの人に支えてもらい、大学まで野球をやらせてもらいました」と感謝。自宅から車でわずか10分で、小学校時代にもプレーしていたという球場で、自分の力を存分に発揮した。 “雑草魂”で、はい上がった。富山・滑川高では内野手として「試合終盤に守備固め」として起用されていたと言うが、専修大の準硬式野球部に入部後に転機が訪れた。コロナ禍やチーム事情もあり、大学2年で投手に転向。「準硬式では監督やコーチもいない。いろいろと自分で考えながら練習していました」と振り返る。その後は全日本大学準硬式選手権で準優勝を飾り、大学4年時には最速145キロをマーク。卒業後も社会人で野球を続けたいと、何チームも練習参加した。「いろいろ受けて、拾ってもらった。(経歴に)華やかさはないが、泥臭く取り組んできました」と胸を張る。 伏木海陸運送(富山・高岡市)との代表決定戦(決勝)は、9日午前11時から同球場で行われる。山登は「目標は東京ドームで投げること。今後は平均で150キロを投げたいです」と意気込めば、河野も「チャレンジャーの気持ちで挑みたい」と決意。サヨナラ勝利の勢いに乗って、初の都市対抗出場を引き寄せる。(中田 康博)
報知新聞社