ピクサー新作『インサイド・ヘッド2』は思春期真っ盛り
パート2はこんなあらすじ。ネタバレなしのレビューです。 過去30年に渡ってピクサーは、子どもも大人も楽しめる絶妙なバランスを見事にとらえた長編アニメーション映画でその名を馳せてきました。キラキラとした子ども向けのエンターテインメントでありながらも、複雑で力強く、大人でも感銘を受けるようなテーマの物語がピクサーの特徴です。 【全画像をみる】ピクサー新作『インサイド・ヘッド2』は思春期真っ盛り たとえば『ウォーリー』は、ロボットが主役の映画ですが、同時に愛、孤独、世界の終わりがテーマとなっています。『トイ・ストーリー』は、おもちゃがしゃべるという設定ですが、忠誠心、利己心、友情についても描かれています。 ここ数年、ピクサーはこの絶妙なバランスを見つけるのに苦労していたようですが、『インサイド・ヘッド2』はそのバランスを描くことに見事に成功していて、さらにはそれ以上のことを成し遂げているように思います。この作品は、“ピクサーという会社が魔法を起こしてくれること”を思い出させてくれる作品となりました。
パート2はどんな話?
『インサイド・ヘッド2』は、2015年のピート・ドクター監督のオスカー受賞作品『インサイド・ヘッド』の続編です。主人公のライリー・アンダーソンは今や13歳。以前は喜び、悲しみ、怖れ、怒り、嫌悪の5つの基本感情だけで動かされていましたが、思春期に入り新しい感情が加わります。 ねたみ、退屈、恥ずかしさ、そして思春期で最も重要な不安という感情も出てきます。不安が急速にリーダーシップを取るようになり、ライリーの元の感情たちは、新しい感情に動かされるようになった現在のライリーが、本当の自分を見つけられるように旅に出ます。 前作と同様に、『インサイド・ヘッド2』の最大の魅力は、その発想の素晴らしさ。この映画で起こるほぼ全てのことに、「どうしてこんなことを思いついたんだろう」と感心せずにはいられません。 ライリーが信念を形作ることから始まり、皮肉、ブレインストーミング、思考の流れなどの概念を巧みに視覚化しています。 他のハイライトとしては、ライリーが自分の最大の秘密を隠す秘密の部屋に新しい住人が現れるところ。そして映画の終盤に子供向け映画の範疇を超えるようなびっくりなシーンもあります(親御さんへのヒント:「不安」という言葉を聞いて、最初に思い浮かぶ言葉に関連することです)。 ピクサーは映画のさまざまな場面で、手描きや切り絵などのさまざまなアニメーション技法を使って多くの新キャラクターやシチュエーションを作り出してきました。ほとんどがコンピューターグラフィックスで作られているとは思いますが、ピクサーの伝統的なCGキャラクターと併せて描かれることで、『インサイド・ヘッド2』は独自のスタイルと個性を持つ作品になっているような気がします。