智弁学園、得点機に余裕なく 山下主将が感じた差 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第9日の29日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、智弁学園(奈良)は明豊(大分)に6―4で破れた。 【智弁学園vs明豊の試合を写真特集で】 ◇智弁学園・山下陽輔主将 自分たちの攻撃を思うようにさせてもらえず、チャンスで一本が出なかった。得点機に余裕を持って臨むことができないのが智弁学園、できていたのが明豊。そこに差があった。明豊の(登板した)3人は全員好投手で、打線も積極的に振ってくる。打撃に関してはうちと似ている部分もあるので、手本にすべきと感じた。 (自分は)初球から積極的にバットを振れていなかったので、六回の打席はその反省を生かしたかった。良い当たりだったので「越えろ」と思って見ていたが……。八回は、前を打つ前川(右京選手)が凡退。「僕らのどちらかが打てなかったときは、もう1人が打とう」と以前から話していたので、絶対に打ちたかった。打球は遊撃手のグラブに当たったが、ヒットになったので良かった。 自分は序盤の打席で当てるのが精いっぱいだった。投手を落ち着かせたり、奮い立たせたりする言葉をかけることもできず、選手としても主将としても全然ダメ。細かいミスのせいで点を取られたので、そこを修正して甲子園に戻ってきたい。 ◇「甘い球はなかなか来ない」小坂将商監督 先発の西村(王雅投手)には立ち上がりを意識するよう言っていたが、初回に先頭打者のファウルフライを(野手が)捕りきれず、本塁打を許してしまった。あの場面からずるずると相手の流れを断ち切れなかった。 六回に山下(陽輔選手)が放った良い当たりは相手外野手のファインプレーでアウトになり、(六回以外に)2度あった満塁の得点機も得点に結びつけられず、非常に悔しい。 (六回から登板した)小畠(一心投手)は1回戦で大阪桐蔭打線を抑え、2回戦は完投。この大会を通しての成長は素晴らしく、チームにとってプラスになった。主将の山下も4番打者らしくどっしりと臨めていた。前川(右京選手)の結果に関しては、本人が一番よく分かっていると思う。甲子園で、甘い球はなかなか来ない。今日は自分のバットで決める意識が強すぎたのかもしれない。 夏に向けては3、4番手の投手の登場と、走塁の強化。そして今大会でよくやってくれた2年の中陳(六斗選手)のように、試合に出る下級生が増えてほしい。奈良から夏の甲子園に出られるのは1チーム。秋に負けた天理を倒し、またこの場所に戻ってきたい。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。