【試乗速報】ホンダ新型CBR1000RR-R「マイチェンの域を超えている!! 従来と同じ218馬力なのに、20馬力アップしたような力強さ」
ホンダの最新スーパースポーツ「ファイアブレード」の実力を改めて検証する
2024年、ホンダのフラッグシップスーパースポーツCBR1000RR-Rファイアブレードがモデルチェンジ。 イギリスのモーターサイクルジャーナリストで、マン島TT参戦経験もあるレーシングライダーのアダム・チャイルド氏が、その最強バージョンである「SP」をポルティマオサーキットでテスト。 【画像13点】ホンダ新型CBR1000RR-RファイアブレードSPを写真で解説 ホンダによれば、2024年型の変更内容はエンジン各部の改良による中速域の加速性能向上、扱いやすさに貢献する2モーター式スロットルバルブ採用、フレームボディの構成部品の改良と軽量化、ウイングレットなど外装パーツの改良となっているが……。テストを終えたアダム氏によれば「そうして文字で記される以上に、従来型から劇的に進化している」とのこと。 では早速、その試乗レポートを紹介しよう。
2024年型ファイアブレードは、マイナーチェンジというには変わりすぎている
ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSPは、2023年のイギリスのナショナル・スーパーストックシリーズを制覇し、マン島TTのスーパーバイクTTでも栄えある勝利を飾ったにもかかわらず、とくに重要なレースであるスーパーバイク世界選手権(WSBK)では成功していない。2023年のコンストラクターズランキングは最下位に甘んじている。 しかしホンダはスズキやヤマハのように並列4気筒1000ccスーパーバイクの生産を終了することなく、大幅な改良を施した新型を投入することでドゥカティ パニガーレV4に立ち向かおうとしている。 編集部註:2024年2月、YZF-R1に関してヤマハレーシングは「最新の環境規制ユーロ5+対応を鑑み、2025年以降はYF-R6と同様にサーキット専用車のみの販売となる」と発表している。 エアロダイナミクスを刷新したボディワークこそ大きく変化しているが、ホンダによれば2024年型は「アップデート」の範囲となるらしい。しかし、それは本当か? 独立した2モーター式の「スプリットスロットル」、エンジンの軽量化、フレームとスイングアームの改良、オーリンズ製スマートEC3.0サスペンション、最新電子制御テクノロジーなど、ホンダは新型CBR1000RR-RファイアブレードSPに持てる力を惜しみなく投入しているのだ。 走行特性はサーキットでのパフォーマンス向上に主眼を置きつつ、ライディングポジションの刷新、中速域のパワフルな加速特性、改良されたミッションは、一般公道をメインとするライダーにもうれしい変更だ。 とはいえその本領を確かめるべく、ヨーロッパで最もチャレンジングで、最も速いとされるポルトガルのポルティマオサーキットに私は向かった。