阪神・近本、神話弾!打てば8連勝 11本目先頭打者本塁打!虎歴代4位・今岡コーチにあと「1」
(セ・リーグ、DeNA3-4阪神、6回戦、阪神3勝2敗1分、10日、横浜)近本がこれ以上ない先制パンチを食らわせ、白星に向かうムードを一気に高めた。振り抜いた先に見つめた打球は右翼スタンドへ一直線。30歳に近づくリードオフマンの〝若さ〟が存分に発揮される、先制の先頭打者弾となった。 【写真】1回、本塁打を放つ阪神・近本光司 「きょうはもう、思い切っていくって決めていたので。初球も打ちましたし、狙い球がどうとかヒットを打てるとかじゃなくて、しっかり思い切っていけるかどうか」 マウンドに立ったDeNAの先発は昨季、最多勝と最高勝率の2冠に輝いた東。近本はカウント1―2からの5球目、136キロのツーシームを捉え、ライナーでフェンスの向こうへ飛ばした。チームが昨季3度の対戦で2勝を献上し、防御率0・78と封じ込まれたサウスポー相手に、森下と並ぶチームトップの5号ソロで先制攻撃。昨年6月以来の先頭打者弾で、アーチを架ければ8連勝と勝利の使者になった。通算11本は球団歴代5位で、今岡誠(現・真訪、打撃コーチ)の12本まであと1本に迫った。 18年ぶりのリーグ優勝を達成した昨季レギュラーシーズンの打撃を振り返り「結構ボールを見ていく傾向にあったし、自分はこういう風にスタイルが変わっていくのかなと思ったこともあった」と語る。その感覚が変化したのは日本シリーズ。来るボールのイメージをフルに働かせ、タイミングが合えばどんどん仕留めるスタイルで結果を残し、MVPを獲得。日本一の立役者になった。 「日本シリーズで打ちにいくバッティングもできたから、まだまだそういう若さはあるんだなって。自分、若いなって思います」 この日はその〝若さ〟が前面に出た。先頭打者弾の第1打席は初球から迷わずスイングしてファウルに。右翼線を貫き、一時勝ち越しの口火となった六回の二塁打も2球目を捉えるなど、積極的に振っていくことが結果にもつながった。自分と向き合いながらスタイルを調整し、最適な形を模索して変化を続けている。 「メンタル的にいけないときもありますけど、きょうは思い切っていけたのがよかったですね。結果どうこうより」
意識を行動にうまくつなげる納得の打撃でチームの連敗もストップ。欠かせない存在感を発揮した。(邨田直人)