デビュー15周年自ら祝うぞ!井岡一翔自身2階級目の王座統一へ「圧倒的な強さみせる。それだけ」
ボクシングWBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(35=志成)がプロデビュー15年の区切りを祝う自身2階級目の王座統一を狙う。7日に行われる東京・両国国技館でIBF世界同級王者フェルナンド・マルティネス(32=アルゼンチン)との王者対決を控え、6日は都内のホテルで前日計量に臨み、両者ともに1発クリア。井岡には米合宿の練習仲間で元世界2階級制覇王者のロランド・ロメロ(28=米国)も「援軍」として陣営に加入。過去最高の仕上がりと環境で区切りイヤーを飾る構えだ。 リミット(52・1キロ)よりも100グラム少ない52・0キロで計量クリアした井岡は平常心を貫いた。ラテンムードのマルティネス陣営が声をあげて大騒ぎで盛り上がっても表情を変えない。 「彼たちの風習、サッカーの文化か国の文化かは分からないが、文化があってのこと。お互い士気が上がっているのは間違いないし、ボルテージも最大に上がっている。特に感じることはないが、盛り上がっていることに間違いない」 09年4月の3回TKO勝ちデビューから15年を迎えた。「王座統一」と掲げて静かに燃える大事な区切りイヤー初戦は願った通りの舞台が整った。 「世界戦の経験を積めたのはボクシング人生の中で大きな経験。その経験を生かし、今回の試合に臨むが、過去の経験よりもこれからの挑戦の方が大事。過去にやってきたことにとらわれず、次の挑戦への気持ちを強く持って挑みたい」 今回、井岡と同じくキューバ人トレーナーのイスマエル・サラス氏(67)に師事する元世界2階級制覇王者ロメロが陣営に帯同した。米ラスベガス合宿の際、同氏のジムで練習する間柄だ。気心知れた練習仲間の支えも大きな力だ。「僕の応援に駆けつけてくれた」と感謝した井岡は言った。 「過去最高のコンディションと言っていいぐらいの状態。明日は圧倒的な強さをみせ、王座統一する。それだけ。必ず勝ちたい」。 ミニマム級に続く2団体統一へ、死角はない。【藤中栄二】 〇…無敗のIBF王者マルティネスは母国の英雄となるサッカー代表FWメッシのシャツ着用で気持ちを高ぶらせた。10番姿で登場し、リミットで計量パス。マルティネスは「アルゼンチンを代表するメッシの名誉を象徴して着た。(王座統一の)夢を実現したい。国と国とを背負って2人のボクサーが衝撃的な戦争をやる。歴史的な戦争になる」と口にした。