鈴木伸之「怖かった思い出しかない」父の野球指導、礼儀作法は「野球に教えてもらったなって」
スポーツ選手かと見紛う様な体躯と爽やかな笑顔が印象的な俳優・鈴木伸之さん。しかし、これまで彼が演じてきたのは印象とは真逆なクズ役も多く、それは過去のインタビューで本人も認めている。最近は、CMでお笑い芸人とコミカルな掛け合い(しかも役は織田信長!)を見せたり、ドラマ『ファースト・ペンギン』では”お助けマン“的な若手漁師役を演じるなど別な側面も見せ始めている。そんな鈴木さんにとってのCHANGEは……。【第1回/全3回】 ■【画像】鈴木伸之「怖かった思い出しかない」父の野球指導、ドラマで見せたユニフォーム姿が似合いすぎる 185センチの長身と広い肩幅。そして人懐っこい笑顔。スポーツ優良児を具現化したような鈴木さんの子供の頃は”野球少年“だった。 「父が大の野球好きだったんです。僕には年子の兄が二人いるのですが、父の影響もあってか兄たちが先に野球を始めていたので、それに倣う形で僕も始めたという感じです。だから家には野球好きな小学生の男子が3人いたんですよ。当時、地元の川崎に少年野球チームの連合のようなものがあって、それぞれのチームから一人か二人選ばれたんですけど、僕もその中に入ってたんです。あの頃は、肩はぶっちぎりで強かったんですよ。遠投で70メートルぐらいあったんじゃないかな。僕だけフェンスを越えて場外に行ったこともありました」 チームでは4番バッターを務めた。 「でも、ホームランをメチャメチャ打つというタイプではなかったんです。ただ、バントのサインが出るとビクっとして、これはミスできないなという気持ちになりましたね」
野球少年だった鈴木さんの練習相手を父親はよく務めていた。 「自宅には小さな庭があって、父とはよくキャッチボールをやっていましたね。そんなに距離もないのに父は本気で投げてきたんです。ここぞとばかりに。すごく怖かったですよ(笑)」 父親は鈴木さんにはとても厳しかったようだ。 「兄二人とは同じチームに入っていたのですが、日曜日には父の仕事も休みだったので、試合は必ず観に来ていましたね。兄弟3人が出た試合では、家に帰ると一番上の兄は“今日は良かった、頑張ったな”って褒められるんですよ。で、真ん中は“まぁまぁかな。次、もうちょっと頑張れ”って。で、僕は“お前は何言ってもダメだ”って怒られるんです。普通は逆じゃないですか。一番上が一番厳しくされて、一番下がまだちっちゃいからしょうがないよな……ってなるんですけど、うちの父は真逆……(笑)。すごくしごかれて、怖かった思い出しかないですね。でも野球って、礼儀作法に厳しいところもあるので、そういうところは野球に教えてもらったなって、いま思うとありますね」