「ハマったきっかけは父からの 贈りもの」超人気芸人・ヤーレンズ 出井隼之介が語る底なしのコーヒー愛
僕の淹れるコーヒーはすごくおいしいらしい
――カフェには、おひとりで行かれることが多いですか? 基本は1人ですが、配偶者ともよく行きますよ。実は配偶者がコーヒーを飲むようになったのは、僕と暮らし始めてから。まだ一緒に暮らして2年ほどですが、すでにコーヒーのオーダーが玄人じみてきました。アナエロビックナチュラルっていう精製方法があるんですけど、メニューを見ながら「とりあえずアナエロにしよっかな」って。これはすごいことだぞ……と驚いています。たぶん、僕が家で淹れるコーヒーがおいしかったってことだと思うんですよね(笑)。相方(楢原真樹さん)なんて缶コーヒーすら飲めなかったのに、僕の影響で今やコーヒー好きですもん。 ――間違いなく出井さんの影響だと思います。家ではどんな豆や道具を愛用していますか? 今日、ご紹介するために最近出張先で買った熊本の「Gluck Coffee Spot」と「Coffeedot」、北海道の「Brew it by NODE」の豆を持ってきました。浅煎りが好みですが、その日の気分で豆も淹れ方も変えながら楽しんでいます。これは家にあるほんの一部。自宅の棚にはたくさん豆をストックしています。 最近手に入れたのは、「パラゴン」という道具。コーヒーは熱の反応で味が出るのですが、抽出後の空気との温度差で香りが飛んでしまうらしいんですよ。そこで開発されたのがこのパラゴンで、冷やした金属の球(アイスロック)にドリップしたコーヒーを当てることで、これまで揮発していたフレーバーの40%ほどを液体にとどめておくことができるらしいんです。
父が毎朝コーヒーを淹れる背中を見ながら育った
――家でコーヒーを飲む際のこだわりはありますか? 種類によって飲むカップを変えているとか? そうですね。例えば、浅煎りのコーヒーを飲む時にはちょっと薄いカップにしています。うすはりグラスで飲むことも。逆に、深煎りの場合は、ぽってりとしたファイヤーキングで飲みますね。厚みのあるガラスの口当たりが合う気がして。雰囲気までひっくるめて、コーヒーを楽しみたいですね。 ――そもそもコーヒーにハマったきっかけは何だったのでしょうか。 父の影響です。コーヒー関連の会社に勤めていたので、毎日自社の豆を挽いてコーヒーを淹れていたんです。その姿は今も鮮明に覚えています。子どもの頃は飲めないから、カフェオレをつくってもらって。それが好きでした。 父は芸人になることには反対でしたが、僕が押し切って勝手に一人暮らしの家を借りてしまったんです。ならばもうしょうがないってことで、送り出してくれる時にコーヒーセットを贈ってくれました。そのセットで初めて自分で淹れたのがはじまりで、毎朝コーヒーを飲むのが習慣になりました。 芸人の生活って移動も多いし、時間が不規則にもなるんですけど、コーヒーのおかげでちゃんとリラックスできてる。仕事にもいい影響を与えてくれてると思います。 ヤーレンズ・出井隼之介(でい・じゅんのすけ) 2011年に楢原真樹とコンビを結成。2014年に活動の拠点を大阪から東京に移す。M-1グランプリ2023準優勝。趣味はおいしいコーヒーを入れること。 X:@Yarlens_Dei
藤井そのこ