【いまさら! スズキ・ジムニーシエラJB43W】第15回・ドアミラー電動開閉不良修理日記 1/4・故障発覚~部品手配編
先日、わが旧ジムニーシエラ(JB43W型)のドアミラーが壊れた。 右ミラーの電動格納機能が作動しなくなったのだ。 ぶきっちょを自認する自分に果たして自前修理が完遂できるのかどうか? 故障から修理完了までの様子を、4部作にしてお送りする。 TEXT/PHOTO/MOVIE:山口尚志(YAMAGUCHI Hisashi) 【他の写真を見る】動かなくなった、JB43Wのドアミラー
いよいよ自分のクルマにも訪れた、電動格納ミラーの開閉不良
さりげないリード文になっているがその前に・・・ 2018年6月上旬に、当時「モーターファン・アーカイブ」にいた私が、いまも当時も当モーターファンjpの鈴木慎一編集長から「旧型のJB43Wでも構わないからヤマグチ君が買ったジムニーで記事を」と要請され、「よろしく! スズキ・ジムニーシエラ」のタイトルで第1回の記事を公開したのが6月11日だったから月日が経つのは早い。 2020年3月6日の公開を最後に、翌4月に、弊社の別のウェブサイト「クリッカー」編集部に私が異動となったため、「よろしく! ・・・」も自然と休眠状態になっていた。 今年2024年2月末でクリッカーが幕を閉じ、4月に当モーターファン jp配属となった。というわけで、表題のドアミラー故障を機にまたこの「よろしく! ・・・」を再開することに決めた。 問題はタイトルだ。 「よろしく! スズキ・ジムニーシエラ」なんて、頼まれての急遽のスタートだったとはいえ、われながらダサいタイトルをつけたもんだと、当時もいまも思っているが、4年も間を開けておきながら「よろしく!」も何もない。 「帰ってきた『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』」にしようと思ったが、何だか盗難に遭ったクルマが見つかって戻ってきたみたいだし、「帰って」くるのを待っていたひとがいたとも思えない。 これを書いているいまも「いまさらどうかなあ?」と思っているので、「よろしく」の部分を「いまさら」に変え、ついでに現行ジムニーとの混濁を避けるため、タイトルしんがりに「JB43W」をつけることにした。 というわけで、回数はそのまま通しでカウントすることにして今回の第15回から、 「いまさら! スズキ・ジムニーシエラJB43W」 と一部改題し、望まれてもいないのに一方的に再開します。 ここでようやく本題に入る。 リード文で述べたとおり、私の旧JB43Wシエラの右ドアミラーの電動開閉機能が壊れた。 スズキのクルマに頻発し、その原因は内部の樹脂製歯車の破損によるものと、整備士のサイトやみんカラ、Youtube などを見て知っていたから、いずれ自分のクルマもと覚悟はしていたが、いざ出くわすとあまり気分のいいものではない。 だいたい、これまで乗ってきたクルマのなかで、調整も折り畳みも手動だったレックス550はともかく、パルサー、ブルーバード、ティーダではいちどもお目にかからなかった故障だ。うちの家族が使っていたトヨタ車や日産車、ホンダ車でだって起きてはいない。 起きたのは4月2日、モーターファン jp 編集部に移って最初の取材日。 つい今朝ほど、出発時に何の予兆も症状もなく開いたミラーなのに、出先の駐車場にクルマを置き、スイッチを押したらいきなり格納不良に陥った。 左はいつもどおり正常に折りたたまれるが、右側は、本体は動かぬまま、内部でモーターがうんうん唸ってガリガリ音がするばかり。 冬場、手の甲にできたしもやけの様に、時間が経てば何かの加減で元に戻っているかと思って翌日スイッチを入れてみたが、やはり動かなかった。人間と違い、自然治癒というわけにはいかないようだ。 格納されない様子を撮ったのでお見せしよう。 https://youtu.be/ewXW7cZLZrc で、この災難が自分の身に降りかかったことであらためて世の中を調べなおしてみると、まあほかにも出るわ出るわ、同じ被害がぞろっぺで。 まず、「みんなよく自分でやってるなあ」とひとりひとりを尊敬してやまない「みんカラ」の「整備手帳」。 車種選択で「ジムニー」をたどった後に「JB23W」「JB43W」で車種を絞り、それぞれの検索窓に「ドアミラー」と入れて検索したら、JB43Wでは1件、JB23Wでは・・・あまりにも多いので数えるのをやめたほどの件数が存在していた。 構造は軽ジムニーとシエラとで同じなのに、シエラのほうがたった1件なのは、絶対的な販売台数が格段に少ないからだ。さすが、このクルマを登録した2018年2月の販売台数がたった26台だっただけのことはある。 次にYoutube 。「JB23W ドアミラー」で検索するとここでも出るわ出るわ。 参考までに「ドアミラー 電動格納 故障」と、メーカーや車種を限定しない検索を試してみてもスズキ車に多い印象で、次にホンダと三菱の軽自動車が同率。他はまず見かけない。 みんカラを見てもYoutubeを見ても、原因は樹脂製歯車の損傷に尽きる。 続いて国土交通省のホームページ内にある「自動車不具合情報ホットライン」の中の「不具合情報検索」。 ここではJB23W関連の不具合全117件中、ドアミラー開閉不良は5件載っていた。不具合症状を載せているだけなので修理方法は記されていないが、これらも原因は樹脂ギヤの欠損にちがいない。 私のクルマの場合、走行7万3745キロの時点で起きた。納車は2018年3月だから、ちょうど6年で壊れたことになる。 みんカラやYoutubeを見る限り、樹脂歯車の交換だけですみそうなので、いざというときは不器用な自分でもできないことはなさそうだと思っていた。 ましてやいまは修理といっても不具合個所だけを修復して直すという、本当の意味での修理ではなく、不具合個所以外のまだ使える部分までをも含めてまるごと総取っ替えするアッセンブリー交換だから、出費は想像以上に大きいことが予想される。片側3万円は覚悟しておいたほうがよさそうだ。 というわけで、格納不良が発覚したその日のうちにクルマを買った販社に、プロに依頼した場合の金額がどうなるかを聞いてみた。 結果は次のとおりである。 ・部品代(アッセンブリーのみ) 5,555円 ・工賃 8,870円 ・計 1万4,425円 やはりアッセンブリー交換だった。 「アッセンブリーのみ」とは、ミラーそのものと、車両前側に見る車体色のプラスチックカバーを外した残りの黒色の部分を指す。ミラーとカバーは使いまわしで、外したものを新品に取り付けるというわけだ。 部品代5,555円は、内部のモーターや配線込みの純正部品の割には安いかも知れないと思った。工賃に目をやれば8,870円だが、これはいわばひとを雇っているわけだから安いか高いかは何ともいえない。 とはいうものの、部品代は予想より安く、工賃は何ともいえないとわかってはいても、合計して1万4000円超となると考え込む。 予想した3万円はマイナス思考で悪いほうに考え、金額をプラス思考して考えた額なのであって、予想より安かったといっても1万4000円超だって高いことは高い。 この販社の顧客のクルマでも同様の事例が多く、「なかには自分で部品を入手して修理までやってしまうお客様、またはアッセンブリーだけを購入して取り付けは自分でというお客様もいらっしゃる」という。 さあ、どうすべかと考え込む間、ドアミラー本体はほったらかしにしたまま4月末のゴールデンウィークに突入することになるのである。 ●結局、自分で直すことに あれこれと考えた末、最終的に自分で歯車交換して行なうことに決めた。 内部構成品ひとつを取っ替えりゃあ安くすむものを、わざわざ万単位もの費用を出すのはしゃくにさわる。もうひとつ、この世界で自動車についてあれこれ語っている立場なら、これくらいのことできなきゃいけないだろと思ったのも自前作業を決めた理由だ。 というわけで、部品=歯車の手配だ。 「アッセンブリー交換」から想像つくように、販社に部品注文したくても歯車単品では出ないという。このへん、いろいろと言いたいことがあるのだが、それは後にまわすとして、出ないとなると、自分で手配するしかない。ギヤはネット通販でしか入手することができない。 私はお店で現物を見てものを買いたい者なので、相手の顔が見えないネットでの買いものはしたことがない。そのへん、私の父のほうが進んでいて、ちょいとしたものならネット通販で買っており、最近じゃあアマゾンより楽天がいいなんていっている。 というわけで、本モーターファン jpのゴールデンウィーク10日連続記事作成の用意を終えた連休のおしまい2日間に実家に帰ったとき、父に楽天での注文を頼む・・・いや、お願いすることにした。 事前に調べはしており、みんカラ整備手帳によると、私の年式のJB23W/JB43W用ドアミラーの歯車は樹脂製、歯数は30。 楽天を見ると該当する樹脂ギヤが複数ショップから売られている。 迷ったのは樹脂製にするか金属製にするかだ。 みんカラには金属製ギヤを選んでいるひとがおり、当初私も金属製を考えてアマゾンで売られていることを確認していたが、割れる心配がない金属製を選んで別の不具合が起きやしないかという疑問が湧いてきた。 みなさんのみんカラ写真を拝見すると、モーター回転を伝えてくるギヤシャフトが金属製なら、樹脂ギヤが受け取ったギヤシャフト回転の届け先=ドアミラー格納用ギヤも金属製だ。 つまり樹脂ギヤは、パトカー後席の護送中の犯人のように、強固な金属ギヤの間で肩身のせまい思いをしている。常に板挟み・・・いや、鉄ギヤ挟みの状態にあるがために樹脂が両者の力に耐えられなくなり、割れたわけだ。 逆にいうと、いざというときはこの樹脂ギヤに割れてもらうことで他の部位が壊れることを防いでいる・・・いわばヒューズの役割を与えてられているとも考えられる。まあこれは深読みで、実際は割れる、割れないの間に必ず存在するはずの適切な強度がピンポイントで見つけられなかったことの単なる設計不良だと思うが、もしこれを金属ギヤに替えたら、常に一定とは限らないモータートルクの逃げ場がなくなり、モーターやギヤを固定する樹脂リブのほうが破損する可能性がある。それこそアッセンブリー交換で余計高くつくことになりかねない。 というわけで、ここは万全を期して素直に樹脂製を選ぶことにした。再度壊れたらそのときこそ金属製にすればいいだけの話だ。ただし、右ミラーが壊れたのなら左もいずれという可能性があるわけで、いっそ予防整備の意味で左ミラー側も直そうと、2個セットを注文することにした。 「樹脂製ドアミラー用ギアセット」「JB23W ジムニー6型以降…30歯・・・樹脂製・・・」1個1780円、2個セット3480円。こんなもん、たかだか200~300円かと思っていたら、けっこう高かった。高いが、正規メーカーでもない会社が予測しにくい数を肩代わりして造ってくれているのだから親切な話とするべきで、1780円/個なら妥当か安いと見るべきなのかも知れない。 で、注文入力を父に頼んだ・・・いや、お願いしたときの画面がこちらだ。 あとは届くのを待つばかり。いったん、東京に引き上げる。 長々と書いた割に写真が少ないのは、この回が状況報告のため。 このお話、次回につづく。
山口 尚志
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