西武、渡辺久信監督代行が攻めのタクトでカード勝ち越し 「ちょっとイヤな予感がした」 好投の武内夏暉を6回途中でスイッチ
◆日本生命セ・パ交流戦・中日0―3西武(30日、バンテリンドームナゴヤ) 渡辺久信監督代行の〝初陣カード〟は、黒星発進後の連勝で勝ち越し。その原動力は、ドラフト1位左腕・武内夏暉の好投だ。 ■佐藤龍の衝撃プレーに最前列ファンもビックリ【写真】 「あまり調子がよくなかったんですけど、その中でも何とか打たせて取る投球ができました」 なんともルーキーらしからぬ〝悪いなりのピッチング〟で、中日打線を6回途中まで無失点。自身無傷の4連勝、さらには再び規定投球回数に乗せ、1.27まで下げた防御率は「あまり気にしないようにしています」と言いながらも、パのトップに再浮上した。 初回は先頭の岡林勇希に8球粘られ、2回にも5番中田翔に9球投げた末に中前打と「ホント、あまり調子がよくなかったね」と渡辺監督代行も認めたほど。それでも四死球なし。自らの失策が絡んだ5回1死一、二塁も無失点、6回はけん制悪送球で無死二塁となったが、ディカーソン、細川成也を連続三振に仕留めた。 ここで渡辺監督代行が継投に出たのは、2回の中前打、4回の右飛と武内の直球にタイミングが合っていた中田に「ちょっとイヤな予感がしたから」。平井克典をつぎ込んで中田を右飛に打ち取り無失点と勝負師の嗅覚はピタリ。初回に1点を先制し、6回に2点を追加、5人の継投で零封という逃げ切りの形に「ウチの今の感じからいうと、追っかける展開は苦しいから」と渡辺監督代行は打低投高のチーム状況を踏まえ、早めに手を打つ積極采配を強調した。 これで武内はデビュー以来無傷の4連勝。リーグトップの防御率を誇るルーキーを「すごい。実力通りの結果を出してくれている感じがします」と指揮官はたたえた一方で、今後の巻き返しへ向け「われわれは交流戦をきっかけに、というところのチーム。とにかく一つ一つ勝って借金を返していきたい」。その攻めのタクトで、渡辺西武に勢いが出てきた。
西日本新聞社