手の内をすべて明かそう…30代の週刊誌記者が、初対面から「ネタを引き出す」ずるいテクニック
渋谷109のカリスマ店員から週刊誌記者に転身。約10年間、3000人以上を取材してきた「聞き方」の極意をまとめた山田千穂さんの『ずるい聞き方』(朝日新聞出版)よりコミュニケーションがワンランクアップする聞き方を一部抜粋・編集してお伝えします。 【漫画】ウソだろ、足の指が50本に増えてる…火葬場職員が仰天した、前代未聞の遺骨
「イエス」を二度引き出して話の突破口を開く
何か聞きたいことがあっても、いきなり質問してしまうと相手は戸惑います。場合によっては、「え? いきなりそんなこと聞かれても」とやんわり拒絶されてしまうことも。 特に、人間関係やプライベートのことなど答えにくいことを聞きたい場合は、まず場を温めなければいけません。 たとえば、相手がすぐに「イエス」で答えられるたわいもない質問を2、3個投げかけると、話の突破口を開くことができます。 ある男性俳優Aさんが亡くなって、陰でずっと支えてきた愛人Bさんに取材したときも、「イエス」の質問なしには本題に入れませんでした。 「本日、亡くなったAさんが出演予定だった舞台が公開されますね」 「……はい」 「初日はAさんと一緒に迎えたかったですよね」 「……はい」 「Aさんが晩年まで元気に活躍できたのは、Bさんの支えがあったからだという評判を耳にしました。やはり最期は看取りたかったですよね」 「はい……看取りたかったです」 こうして「イエス」を3回引き出したあとは、その流れでAさんとの関係についてより深い話を聞き出すことができたのです。 すぐに同調できる言葉をかけると警戒心が薄まります。聞かれたことに「イエス」と答えるだけで気持ちも前を向きます。 すると、その後も話しやすくなるのです。 日常会話でも、 「今日は天気が良くてよかったですね」 「インフルエンザが流行っていてヒヤヒヤしますよね」 といった挨拶代わりの質問から入って「イエス」を引き出すと、その後の話の流れを良い方向に持っていけるでしょう。ぜひ試してみてくださいね。
忘れた相手の名前を自然と聞き出す
久しぶりに会った人の名前を忘れてしまうこと、ありますよね。その場合、「お名前なんでしたっけ?」と聞くと大変失礼ですから、裏ワザを使います。 「新しい名刺をお渡ししていなかったかもしれないので」と自分の名刺を差し出し、再度、名刺交換する機会を設けるのです。実際は新しい名刺でなくても、「もうお渡ししていましたか、失礼しました」のひと言ですみますよね。 もし名刺を持ち合わせていなかったら、 「確か○○でお会いしましたよね……えっと……」 「佐藤です!」 「そう、佐藤さん! 雰囲気が変わられて、一瞬どなたか分からなくてすみません」 といったやりとりでも問題ありません。 他にも、「お名前を教えていただけますか?」 「佐藤です」 「あっ、苗字は存じ上げていて。下の名前(ファーストネーム)をお尋ねしたかったんです」 と言い、あたかも「苗字は忘れていません」と装う方法もあります。 下の名前を聞いた理由を尋ねられたら「友人と似たお名前だったと記憶しており」 「素敵な響きのお名前だったような覚えがあったので気になって」「確か、苗字とのバランスが美しいお名前だったなあ、と」などと答えましょう。 逆に、相手が自分の名前を忘れているようであれば、 「佐藤さん、お久しぶりですね、○○の山田です!」 「ああ、山田さん! お久しぶりです」 と自然と挨拶できるように、こちらから名乗る気遣いも忘れずに。 「もし自分だったらどうしてほしいかな?」と相手の視点に立てば良いのです。 …つづく、山田千穂さんの連載、<一瞬、場が凍り付いた…パーティーで、空気を読まない「30代の新人記者」にとどめを刺した先輩の「痛烈な一言」>では大人数で集まって話すパーティーやイベントが苦手な人に教えたいテクニックをお伝えします。 構成/樺山美夏
山田 千穂(記者)
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