ドジャース・ロバーツ監督を一言で表すと?…「グレートマン」「営業部長」「政治屋」 さまざまな顔を持つ指揮官、まだ契約延長の話は聞こえてこず
◇記者コラム「番記者が見た」 ドジャースのロバーツ監督を一言で表すなら? この言葉に、悩みながらMLB.COMのドジャース担当フアン・トリビオ記者は答えた。「グレートマン(素晴らしい男)」。球団リポーターのデビッド・バゼウさんに同じ質問をすると、「スーパーポジティブ」と語った。 ロバーツ監督はメディアに非常に好意的で「営業部長」の顔を持つ。今季、大谷翔平が、監督が持つ「日本生まれの本塁打記録」を塗り替えてポルシェのミニカーをもらった時は、取材中に「こういう話があるんだ」と自ら切り出して「秘話」を紹介した。トリビオ記者が「車の写真が欲しい」とお願いすると、監督は車と一緒に自分も写真に写り込んだ。 大谷夫妻から誕生日にプレゼントされた時も、監督が「翔平と真美子からウイスキーとチョコをもらったんだ。ウイスキーは(山本)由伸の故郷のものだったね」とうれしそうに語った。赤いベルベットのキャップのウイスキーと話したが、実際は日本酒だったという。まだ、そのお酒は飲んでいない。 一方で長年、ドジャースを取材してきた記者の一人は「ポリティシャン(政治屋)」としての一面があると語った。オーナーのマーク・ウォルターさんとはじっこんの仲と言われ、ある米記者は「『長期政権』を実現できているのはオーナーとの結びつきが大きい」と語る。 一方で、フリードマン編成本部長とは不仲が取り沙汰されることがある。来季まで契約を残し、レギュラーシーズンは勝ち続けているが、まだ契約延長の話は聞こえてこない。今季の戦力で、昨季のようにプレーオフであっさりと負ければ、解任もあり得ると語る記者は多い。 ロバーツ監督はワイナリーを所有するほど、ワインの愛好家でも知られる。遠征先の試合後、囲み取材で入る監督室にはよくワインのボトルが置いてある。コロナ禍の2020年の短縮シーズンでのワールドシリーズ制覇はあるが、通常シーズンでの世界一はない。今年こそ、勝利の美酒を味わえるか。(阿部太郎)
中日スポーツ