V・ホブラン、R・ファウラー、J・ラーム、蟬川泰果は何がスゴい? ショットメーカーのスウィングを中井学が解説
初優勝、復活優勝、連続制覇などで盛り上がった今季、国内外の男女ツアーで8選手をピックアップ。ツアーを代表するショットメーカーたちのスゴいところ、どこか真似られる点はあるかスウィング分析に定評がある中井学プロがまず男子プロ4選手を解説! ホブラン、ファウラー、ラーム、蟬川、4選手のドライバーショット連続写真
ビクトール・ホブランは、前傾角を保ったまま真っすぐフェースを押し込んでいく
ビクトール・ホブランは、左ひじを曲げて使うスウィングが特徴的ですが、これはカット軌道で動きが詰まった結果、曲がってしまうアマチュアの“ひじ引け”とは根本的に異なり、意図のある動きです。 左ひじを曲げたままのスウィングはフェースローテーション量を抑えることにつながり、シャローかつストレートなインパクトゾーンを生み出しています。これはいまどきのクラブとよくマッチしており、彼の活躍の一因になっていると思います。
また、シャットフェースのまま一瞬インサイドに始動し、そこからクラブを立てるように上げていくのも特徴的。この動きは、アマチュアが真似するとあおり打ちや引っかけにつながりやすいのですが、切り返しで腕を体の正面に戻してそのまま体のターンで振り切るホブランの動きは見事です。 ホブランのスウィングで最も注目してほしいのが、フォローでの上体の前傾角度。インパクト後も非常に深い前傾角度を保って振り抜いています。ここから推察されるのは、彼のスウィングにおける「優先順位」です。彼はまず、何よりも前傾角度を保ったままスウィングすることを最優先し、ほかの動きは、そのための手段と考えているのでしょう。だから動きが個性的でも理にかなっているし、飛んで曲がらない。 前傾角度を保つのは、スウィングのなかでも最も重要なポイント。スウィングに悩んでいる人は、ホブランのようにまず「前傾を保ってスウィングするにはどうすればいいか」から考えてみてください。
リッキー・ファウラーは、下半身で踏ん張って動きすぎを抑える“がに股”の足使い
近年不調に悩んでいたリッキー・ファウラーですが、今年の「ロケットモーゲージ」で4年ぶりに復活優勝を遂げました。 ここ数年、彼はスウィングに悩んで改造を繰り返していましたが、かつての師ブッチ・ハーモンのもとに戻り復活しました。これは改造の結果というよりも、以前のスウィングに近い形に戻してパフォーマンスを取り戻したという感じです。 その象徴といえるのがトップでの手元の位置。改造中は、正面から見たトップの位置で手元が自分の頭に隠れてしまうくらいフラットでしたが、いまは頭の上に手元が見える位置にまで戻っています。