グーグルが第3四半期決算発表、アナリストの予想を上回る…AI製品の「加速する成長」が貢献(海外)
グーグルの親会社アルファベットは10月29日(現地時間)、第3四半期の業績を発表した。 同社は売上高、EPS、広告事業、そして前年比35%増のGoogle Cloudの売上高で予想を上回った。 スンダー・ピチャイCEOは、同社のAI投資は「成果を上げている」と語った。 グーグル(Google)の親会社であるアルファベット(Alphabet)は2024年10月29日(現地時間)の取引終了後に、第3四半期の業績が予想を上回る結果となったことを発表した。 Google Cloudの収益は前年比35%増の114億ドル(約1兆7000億円)となり、同社AI製品の「加速する成長」が後押ししたと発表した。 同社の株価は時間外取引で5%以上上昇した。 アナリストの予測と比較した第3四半期の主な数値は以下の通り。 1株当たり利益(EPS):2.12ドル(予想は1.83ドル) 売上高:882.7億ドル(予想は864.4億ドル) Google広告:659億ドル(予想は655億ドル) YouTube広告収入:89.2億ドル(予想は88.9億ドル) Google Cloud売上高:113.5億ドル(予想は107.9億ドル) グーグルとアルファベットのCEOであるスンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は、同社のAIへの投資が「成果を上げている」と述べた。 「クラウドでは、当社のAIソリューションが既存顧客による製品利用の拡大、新規顧客の獲得、大型案件の獲得に貢献している」とピチャイ氏は付け加えた。 「また、YouTubeの広告および購読料収入の合計額は、過去4四半期で初めて500億ドルを突破した」 ピチャイ氏は、進化を続ける同社の検索製品について最新情報を提供し、Google検索の結果にAIが生成した回答を「AIによる概要」として表示する取り組みを展開していると述べた。同氏によると、現在、AIの結果は月間10億人以上のユーザーに届いており、「AIによる概要」内の広告は「好調な成果を上げている」という。 また、グーグルでは社員が業務でAI製品をますます利用するようになっているという。 「現在、グーグルで新たに作成されるコードの4分の1以上がAIによって生成され、エンジニアが確認して承認している」とピチャイ氏は述べた。 この検索大手の収益は、連邦裁判所が同社が検索の独占を違法に維持することで反トラスト法に違反したと裁定してから3カ月も経たないうちに発表された。グーグルは広告技術事業でも反トラスト法違反の訴訟を起こされている。同社は解体される可能性も取り沙汰されており、訴訟が長期化することも予想される。 ピチャイ氏は29日の電話会議で、法的な課題について簡単に触れた。 「当社はこれらの訴訟に精力的に対応するつもりであり、司法省の提訴の一部は広範囲にわたるものだった」と彼は述べた。さらに、提案された改善策が承認された場合は「特にダイナミックなテクノロジー分野と、その分野におけるアメリカのリーダーシップにとって、予期せぬ結果をもたらす可能性がある」と付け加えた。 同社は10月、AIへの取り組みを強化する中で、ジェミニ・アプリチームをデミス・ハサビス(Demis Hassabis)率いるGoogle DeepMindチームの下に移すという大規模な組織再編も発表した。ピチャイ氏は、この組織再編を神経ネットワークが「新しいシナプスを形成する」ことに例えた。 eMarketerのシニアアナリスト、エブリン・ミッチェル-ウルフ(Evelyn Mitchell-Wolf)は、「グーグルの今期の業績は、広告事業に対する深刻な規制の脅威にもかかわらず、業績を上げることができることを示している」とBusiness Insiderに語った。 「グーグルのコア事業である検索事業を取り巻く競争が激化する中、グーグルのAIに基づく防御策は盤石であり、広告予算獲得に向けて有利なポジションでホリデーシーズンを迎えるだろう」と、ミッチェル-ウルフは付け加えた。
Ana Altchek,Geoff Weiss