今がメルセデスの限界なのか? ラッセル「基本に立ち返って、マシン開発とダウンフォース増加に注力すべき」
メルセデスはF1中国GPでルイス・ハミルトンがスプリントレースで2位となったが、決勝でその勢いを維持することはできなかった。 【動画】ストロール、リカルドに追突。レース再開直前に大混乱|F1中国GP ジョージ・ラッセルは8番グリッドから6位、ハミルトンは18番グリッドから9位に追い上げたが、レッドブルはもちろん、マクラーレンのランド・ノリスやフェラーリ勢に対抗できなかった。 メルセデスは土曜日のスプリントレース後に2台のセットアップの方向性を大きく変えたが、ポテンシャルの大きな向上は見られなかった。そのためチームは、ポテンシャルを引き出せない理由について、再び答えを追い求める事になった。 チーム代表のトト・ウルフは、次のように語った。 「クルマが今いるポジション、そしてルイスのクルマがいたポジションは、確かに最適な位置からは遠く離れていて、ナイフの刃の上を走っているように不安定なんだ」 「それが我々の現状だ。(次戦)マイアミに向けては新しいモノを持ち込む。それがマシンでどう機能するか見るのは興味深いだろう」 ラッセルは、中国GPの週末に大幅なセットアップ変更を行なったにもかかわらず、パフォーマンスに大きな差が出なかったのは、メルセデスが現状マシンの能力をすべて出し切っていると受け止める必要があることを示唆していると話した。 「今週末は2種類のセットアップを行なったが、どちらも似たようなラップタイムとパフォーマンスだった」とラッセルは言う。 「ファクトリーでやるべき仕事がまだある。結局のところF1では、ダウンフォースが多ければ多いほど速くなる。セットアップはケーキの上のチェリーだ」 ラッセルは、メルセデスは完璧なセットアップを見つけるための分析から離れ、積極的な開発とアップデートの実行に集中するという、より標準的なアプローチに戻る必要があると主張した。 「銀の弾丸(特効薬)はないと思う」 「僕たちは基本的にパフォーマンスを付け足していくことに集中する必要がある。それは風洞やCFD(コンピュータ流体解析)でダウンフォースを追加していくということだ」 メルセデスはグラウンドエフェクト時代を通じて、非常に多くの実験と方向転換を行なってきたが、ラッセルは現状で可能なことの限界に達しているのではないかと語った。 「ダウンフォースを追加すればいいということは、これまで十分に理解してきたと思う」 「この2年間で何度も哲学を変え、コンセプトを変えてきた。僕の個人的な見解では、どんなコンセプトであれ、可能な限りダウンフォースを増やす必要があるし、そうすればそれ以降の限界には対処できるはずだ」 「マイアミでどうなるか見てみよう。マイアミではアップデートも控えている。それで何ができるか見てみよう」
Jonathan Noble