ビットコインの下落は株式市場への警告…今夏にS&P500が調整される可能性も(海外)
ビットコイン価格が下落しているが、これは株式市場全体への警告だと言う人もいる。 スタイフェルのストラテジスト、バリー・バニスターは、ビットコインとナスダック100指数には強い相関関係があると指摘している。 金利上昇の影響を受けて株価は夏に調整されるとバニスターは予想している。 ビットコインは2024年6月7日から10%以上下落しており、それが株式市場全体への警告となっていると、投資銀行スタイフェル(Stifel)のストラテジスト、バリー・バニスター(Barry Bannister)が述べている。 2020年以降のビットコインとナスダック100指数には強い相関関係があり、ビットコインは「デジタルゴールド」のように振る舞うというより、投機的なリスクオン資産としての性質を持つという。 ビットコインは6月後半に6万3000ドル付近まで下落した。一方、株式市場はエヌビディア(Nvidia)やアップル(Apple)などの大型ハイテク株の上昇にけん引され、過去最高値を更新し続けている。 株価は暗号資産(仮想通貨)に合わせて下落することが多く、ビットコインが過去最高値を更新できないことで、株価も合わせて下落していく可能性があるとバニスターはノートに記している。 「最近のビットコインの下落は、夏にS&P500が調整され、株価の急落が差し迫っていることを示している」 ビットコインから株価推移の手掛かりを得ているアナリストはバニスターだけではない。 Fairlead Strategiesの創業者であるケイティ・ストックトン(Katie Stockton)も、アメリカのハイテク株とビットコインが乖離する状況を注視していると、6月17日に出演したCNBCで語っている。 「ビットコインがその枠組みの中で下落し、ナスダック100指数が高騰していることは、短期的にはある程度懸念される。(だが)このように乖離していても、誰かが『ちょっと待って、エヌビディアは少し上がり過ぎかもしれない』と言えば、すぐにナスダック100指数の方が近づいてくると我々は感じている」 株価急落が差し迫っているというバニスターの見方に加えて、アメリカ連邦準備理事会(FRB)は依然として高いインフレ率に対処するため、より長期にわたって高い金利を維持する可能性がある。 「インフレ率が高止まりする中(『最後の1マイル(3%から2%への推移)』の問題)、FRBが現在の慎重なハト派姿勢から転換し、S&P500が金融情勢指数(FCI)や他の指標に対して過大評価されていることが表面化すると、リスク資産の調整はさらに進展すると我々は見ている」とバニスターは言う。 夏の調整シナリオでは、エヌビディアのような高騰しているハイテク株は、利益予測がピークに達する兆候を示しているため、最も大きな打撃を受けるとバニスターは予想している。 「エヌビディア株が過去のサイクルを踏襲するのであれば、これまでの株価高騰をリードした株が、2024年第3四半期の調整時に下落をリードすることになるだろう」 しかし、バブルは他と同調しない動きをすることがあるため、市場の調整を求めるのは時期尚早かもしれないと、バニスターは認めている。 株価は約20%の下落という痛みを伴う動きをする前に上昇する可能性もある。 「19世紀以降に発生したバブルの動きを見ると、S&P500は2024年末に6000近くまで上昇し、その5四半期後にあたる2026年第1四半期までに、2024年初頭の4800近くにまで下落するだろうということが示唆されている」とバニスターは述べている。
Matthew Fox