「小学校は無印良品のリュックで登校」放送作家の白武ときおが両親から受けた教育とは
映画の名シーンでイメージを共有する
映画に関しても高校卒業時には、“世界の名作映画”と言われるベタな作品はほぼ見尽くしていた。そんな白武氏にとって、最も印象深かった作品はなんだったのか。 「リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』です。荒廃した近未来の“ディストピア”のイメージ、ビジュアルに衝撃を受けました。これまで見た色んなモノの源流がここにあるんだ!と。映画界はもちろん、それ以外のジャンルにも大きな影響を与えた、サイバーパンクの草分け的な存在だと思います」 他にも、黒澤明監督の作品や『スター・ウォーズ』シリーズなど、数々の名作映画に影響を受けてきたという白武氏は、今でも映画評論サイトを見ては話題の映画をチェックしているという。 また、これまで見てきた映画の知識が放送作家としての仕事において、重要なコミュニケーションツールにもなっている。 「高校時代に見た映画の知識は、今の仕事の基盤になっています。例えば、番組でコント的なものやセットのイメージを伝える時、同じように理解できていると思っても全員頭の中にあるものはあやふやです。なので『あの映画に出てくるシーンみたいに』と具体例や参考画像を見せて、周りの人とイメージ共有していく。 そんな感じで、年の離れた人たちと打ち合わせをする時にも昔の映画を知っていれば、自分のアイデアをより具体的に説明することができる。たとえ名作と呼ばれていないものでもさまざまな映画のシーンを知っておくと、イメージのストックとして役に立つこともあります」 幅広い世代に向けた企画を作り出す白武氏にとって、映画は人とのコミュニケーションにおける大切な共通言語のひとつ。勉強については基本的に放任主義だったが、さまざまなカルチャーを教えることには熱心だったという両親の影響は、今の白武氏の仕事にもしっかりと息づいている。 白武ときお/Tokio Shiratake 1990年京都府生まれ。2011年に放送作家としてデビュー。著書に『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』がある。2024年10月16日に発売したボードゲーム『サンレンタン』(幻冬舎)のゲームデザインを担当。
TEXT=坂本遼佑