「金利2%台」を絶対に逃してはいけない…賢くお金を貯める人がやっている「定期預金の活用方法」
■金利がより高いネットバンクがおススメ 【深野】やや横道に逸れましたが、政策金利が1%に上昇してくれば、恐らくメガバンクの定期預金でも1%台の商品が出てくるでしょう。となれば、世間が騒ぎ出す。テレビのニュースなどにも取り上げられたり、あちこちで話題になってくると思いますよ。もし10年物定期預金で2%超が出てきたら、資産の3分の1程度は入れていいかもしれません。 【ウエノ】ちなみに、選ぶべき銀行はやはりネットバンクがいいのでしょうか? 【深野】基本的にはネットバンクがお得ですね。ネットバンクは窓口手数料などコストを抑える代わりに、金利を高く設定しています。メガバンクと比べると、今でもかなりの金利差がありますから。(図表2) ただ、もう一つチェックしてほしいのは、各銀行がこれから力を入れるであろう「優遇金利キャンペーン」です。特に1年物定期預金は銀行としても扱いやすいので、キャンペーン特別金利が設定されることが多いんです。 ■穴場は地方銀行の「ネット支店」 【ウエノ】今まで全然チェックしていませんでしたが、金利がある世界では銀行の動向を詳しく見ないと損をしてしまうんですね。 【深野】ネットバンクだけでなく地方銀行にも注目してください。実は地銀の中には金利を高めに設定したユニークな「ネット支店」を構えている銀行があるんです。(図表3) 【ウエノ】すでにいろんな地銀が高めの特別金利を打ち出しているんですね。
■地方にお金を呼び込むためのキャンペーン 【深野】なぜこんな試みをするのかというと、その多くが相続税への対応と言われています。地方在住の富裕層などに相続が発生すると、その子供たちは都市部に住んでいるケースが多く、都市部の銀行に口座を開設しています。このため資金が地方から都市部へと流出してしまうのです。 都市部への資金流出を防いだり、新たな資金を県外などから呼び込むために、相対的に高めの金利を提供しているのです。インターネット支店なら全国から資金を呼び込むことができますから。 【ウエノ】銀行ごとの様々な思惑があるんですね。どちらにせよ、高金利で預金ができるならチャンス。これからどんな商品が出てくるか楽しみになってきました。ちなみに、普通預金はどこがお得なんでしょうか? ■金利引き上げは定期預金→普通預金の順 【深野】普通預金の場合、正直あまり気にする必要はないと思いますよ。というのも、金利上昇時代にはどの銀行も横並びで普通預金の金利を上げてきます。 したがって、そこまで大きな差は生まれないと思うので、ATMの引き出しや振込手数料、あるいは利便性などの使い勝手だったり、自分のライフスタイルに合わせた好みで選んでいいと思います。要するに、「使う銀行」と「増やす銀行」は分けましょう、ということですね。 【ウエノ】じゃあ、特に焦って銀行を変える必要はないわけですね。 【深野】ちなみに、普通預金は定期預金よりも遅れて最後に金利が上がってきます。本書の第2章で「長期金利が先に上がって、短期金利が後から上がる」と話しましたが、それと同じですね。 まずは契約期間の長い定期預金から上がりだして、最後に1年物や普通預金の金利が上がります。なので、まずは定期預金の動向からチェックしておけばいいでしょう。 ---------- 深野 康彦(ふかの・やすひこ) ファイナンシャルプランナー ファイナンシャルリサーチ代表。1962年生まれ。中堅クレジット会社勤務などを経て、独立。完全独立系ファイナンシャルプランナーとして、個人のコンサルティングを行いながら、テレビ・ラジオ番組への出演、新聞・マネー雑誌・各種メールマガジンへの執筆など、さまざまなメディアを通じて投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。 ----------
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦