マー君の優勝決定S第1戦先発をNY紙は「リスクはあるが理にかなう」と支持
ア・リーグのリーグチャンピオンシップ(リーグ優勝決定シリーズ)は、ヤンキースとアストロズの間で争われるが、その13日(日本時間14日)の“開幕”に田中将大が先発することが発表された。インディアンスとの地区シリーズでは、王手をかけられ迎えた第3戦で7回を3安打無失点に抑える圧巻のピッチングで危機を救い、ここからリーグ優勝決定シリーズ進出のきっかけを作った。 さっそく、このマー君の第1戦先発のニュースは、ニューヨークの地元紙でも報じられた。 ニューヨーク・デイリー・ニュースは「不安定なところのある田中に第1戦を任せるという決断はリスクでもあるけれど、理にかなっている」というタイトルで報じた。 記事では、今シーズン、田中が5月14日にニューヨークで行われたアストロズ戦で、自己最短となる1回と3分の2でワーストの8失点KOされたことに触れ、「マサヒロ・タナカはブロンクスでのアストロズ戦では、今季最悪のパフォーマンスだった。4本塁打されて二回途中で降板した」と振り返っている。 同記事は、「しかし」と続けて、田中が、第1戦に抜擢された理由を述べた。 「しかし、ジラルデイ監督と、ヤンキースは金曜日の優勝決定シリーズの第1戦のボールを田中に渡すことに決めた。田中は、ホームの防御率が3.22(レギュラーシーズン)、アウエーが6.48だが、それは考慮していないらしい。ソニー・グレイが、ここ4試合のうち3試合で不調だったので、グレイより田中を選んだということだ」とした。 さらに「ジラルディ監督は、グレイではなく、最近の好調から田中とセベリノを選んだのは理解できる。グレイは、トレード締切日に3人の有望選手と交換して獲得した選手だが」と、田中を第1戦に起用するジラルディ監督の決断は十分に理解できるとした。 ジラルディ監督の「(首脳陣で)誰がいい投球をしているかについて話した。アストロズは右打者、左打者と揃っているので、先月のレギュラーシーズンからプレーオフにかけて何が起こっているかを基準に決断した」という談話を紹介。マー君のレギュラーシーズン最後のブルージェイズ戦と、地区シリーズの流れを変えたインディアンス戦の快投から判断したという。 ヤンキースは第2戦がセベリノ、第3戦がサバシア、第4戦がグレイというローテーションを予定している。「このいずれの投手も、アストロズには、いい投球をしていない。アストロズは本塁打を量産する一方で三振を避けることができている」と、今季ヤンキース投手陣がアストロズ打線に苦戦したことも伝えた またスポーティングニュース誌電子版も田中を第1戦に先発起用した事情にふれている。 同記事によると、ジラルディ監督は、「田中には、絶大な信頼を寄せている。彼の最近のピッチングについて考えると、このシリーズ中に2度、先発できる可能性について考えることになるはずだ。本拠地で1試合投げることもひとつの方法になるだろう。だから、彼を選んだのだ。彼のこの前の先発は素晴らしいものだったし、今度も、彼はチームに必要なものを与えてくれるだろう」と、話したそうだ。 第1戦に先発すると、第5戦以降で2度目の先発をすることも可能。好調の田中を軸に回してア・リーグ優勝を勝ち取ろう作戦らしい。 アストロズの先発はエースのダラス・カイケル。田中は2015年のワイルドカード決定戦でカイケルと投げ合い、このときは、5回4安打2失点で敗戦投手になっている。カイケルは、田中を上回る6回無失点の好投だった。第1戦に抜擢された田中は、ここで2年前の雪辱を果たしたいだろう。