伊藤沙莉さん「沖縄産ラム酒」誕生に奮闘する女性演じる 沖縄の言葉は「音が優しい」 原田マハさん原作「風のマジム」来年公開へ
沖縄を舞台にした原田マハさんの小説『風のマジム』が映画化され、2025年夏に公開される。NHK連続テレビ小説「虎に翼」で主役の佐田寅子を演じた、俳優の伊藤沙莉さんが主演を務める。伊藤さんや原田さんが16日、糸満市の撮影現場で取材に応じた。 【写真多数あり】「撮影の合間はステーキや島豆腐」と語る伊藤沙莉さん
伊藤さんは「とても温かくて風を感じる映画。何かに挑戦したい人や全ての人が見てほっこりする映画になっている。ぜひ劇場でご覧になっていたただけたら」と呼びかけた。 モデルは、グレイス・ラム代表の金城祐子さん 「風のマジム」は契約社員の主人公・伊波まじむが、沖縄産ラム酒誕生のために奮闘し、家族や会社、島民を巻き込んで夢を実現するサクセスストーリー。沖縄産ラム酒開発に向け、社内のベンチャーコンクールを活用してビジネスを立ち上げた、グレイス・ラム代表の金城祐子さんがモデルになっている。 監督は芳賀薫さん。小説と映画のタイトルで、主人公の名前でもある「まじむ」は「真心を込めて」という意味の沖縄の言葉「まぢむこめてぃ」から来ている。 沖縄の言葉は「心地よくてとても好き」 伊藤さんはまじむを「一つ一つの時間を丁寧に過ごしている人。運や縁、いろいろなものを引き寄せる魅力的な女性」と話す。沖縄の言葉について「音が優しい。使っていて心地よくてとても好きです。でもその分、感情の載せ方が難しかった」と振り返った。
方言指導のアドバイスで乗り越えたとし「いろいろなバリエーションを示してくださったので、ありがたかった」と話した。撮影の合間にはステーキや島豆腐を食べたと語り「とてもおいしかった」と笑顔を見せた。 原田さん「伊藤さんだったら絶対に大丈夫と予感」 原田さんは『カフーを待ちわびて』や『太陽の棘』など、沖縄を舞台にした小説を発表してきた。「沖縄は複雑な歴史がある場所。その中で沖縄の方々が守り抜いてきた伝統や文化にひかれた」と話す。『風のマジム』は、原田さんが小説家デビュー前、ライターとして金城さんを取材したことがきっかけになった。「地域密着で沖縄の良さをアピールするプロダクトを作ろうとしていることに新たな可能性を感じた。話を聞いているうちに小説になりそうと思った」と振り返る。 伊藤さんが演じるまじむについて「確かなお芝居をされる方なので、伊藤さんだったら絶対に大丈夫と予感があった。実際に見て『まじむがそこにいる』と思った」と話す。
金城さん「昔の自分を見ているみたい。胸がいっぱいに」 撮影現場を訪れた金城さんは「この小説は私にとって頑張れるエッセンス。この小説があるからこそ私は頑張らなきゃいけないと思うし、原点になっている」と話す。 伊藤さんの演技を見て涙したという金城さんは「昔の自分を見ているみたいで、思い出して胸がいっぱいになった。心を込めて演技しているのが伝わった」と感激した様子で語った。
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