金持ちパラドックス/医師で作家・鎌田實の「鎌田式 究極の若返り健康術」
<28>金持ちパラドックス 肥満パラドックスとか、コレステロール・パラドックスという言葉があります。肥満もコレステロールも健康に悪いはずなのに、軽い肥満やコレステロールが少し高い高齢者のほうが、長生きをしていたり、認知症になりにくかったりしている。そんな現状を示しています。 一見矛盾しているように見えるが、深く考えると真実を含んでいるという意味で、パラドックスという言葉を使っています。 ・大金持ちでなくてよかった 奥さんが先に亡くなって、近所の小料理屋の女将(おかみ)と仲良くなり、再婚して晩年を一緒に暮らそうと決めたとします。財産のない家であれば、子供たちも「お父さんよかったじゃない。幸せになってね」と祝福してくれるでしょう。介護もその女性に押し付けられるし、誰も反対しません。ところが、億単位の貯金があるとか、家を売ったら少なく見積もっても1億円になるということになると、「そんなの財産目当てに決まってるじゃないか。あんな女と結婚するなんて、ぼくたちは絶対許さないからね」と反対されてしまう。財産を持っていたところで、逆に子供たちのいいようにされて、むしろ不幸になるケースも少なくない。これは和田秀樹さんと対談したときの話。 共著「医者の話を鵜呑みにするな。『健康長寿』鎌田式vs和田式」(ワック)では、精神科医の和田先生と内科医のぼくが、それぞれの視点で、老化の予防法、うつ病や認知症をどう防ぐか、良い睡眠のとり方、自分の生き方を理解してくれる良い医者を見つけるためのドクターショッピングの仕方等を書きました。ぜひお読み下さい。