「私は今とても幸福です」 新幹線殺傷事件、小島一朗・無期懲役囚からの手紙
●「人並みの幸せはもとよりありえない」
<刑務所は、衣食住があたりまえであり、友人も仕事も娯楽も全て用意してもらえる。社会では、これらを得るために努力しないといけないのだ。ところが刑務所は努力しなくてよい。むしろ、これらは用いることが義務なのだ> <社会にいる時に、あれだけほしかった食物、どうしても得ることができなかった食べ物が、ここでは、食べない、と食べてください、お願いされるものになる。風呂についてもそうだ> <刑務所と社会はあべこべである。社会では生きることは権利である。勝ちとらないといけない権利である。しかしながら、刑務所では、生きるのは義務であり、生きてください、と懇願されるところなのだ> <受刑者としての普通の幸せは捨てる。人並みの幸せはもとよりありえない。無期で、死ぬまで保護室に入り続けることによってしか味わうことのできない幸せが存在する> <無期なら、死ぬまで国が面倒を看てくれる。しかし、有期は?誰が面倒を看てくれるというのか。社会では、「小島さん、自殺する権利もありますよ」で終わりだ。けど、刑務所は生きるのが義務なのだ>