【103万円の壁】「いい湯だな」なんて暇はない、国民民主「バラマキ玉木」が戦う財務省の「理屈・屁理屈・腹話術」
■ 「いい『湯』だな」と浸っていられない 与党・野党の関係は、是々非々は「や党」、部分連合は「ゆ党」、閣外協力は「よ党」、閣内協力は「連立よ党」という具合に「や・ゆ・よ」の段階がある。今の玉木さんは「いい『湯』だな、ハハハッ」だろうと想像する。 今後、年末にかけて予算と税制はワンセットなので、自民は玉木さんに対し常設の協議機関を提案するだろう。これはアドホック(臨時的)にやった方が良い。 常設協議は「与党国対入り」を意味するし、近づき過ぎてレバレッジを削ぐことになりかねない。 この際、「ゆ党国対」を維新の会と共に立ち上げ、立憲主導の「野党国対」とは別途、自公と対峙すべきだと思う。 「法案を揚げてなんぼの天ぷら屋」と言われる国対政治を転換するきっかけになったら凄い。国対政治こそ国会が霞が関の下請け機関に成り下がった元凶だからである。 国対を廃止し、議員運営委員会一本に絞っても良い。そもそも国対は議運でカネを配ると国会議員の職務権限の対価にあたり、贈収賄に問われることから、党の機関同士でカネを流しても犯罪にならない仕掛けとして作られたものだ。とにかく変な慣行を維持している。 今はカネがやり取りされることはないが、昔、野党の国対委員長は政調会長よりも偉く、一旦なったら辞めないのが普通だった。 玉木さんは維新と共に国会改革のレバレッジも持っている。
■ 「ゆ党」でいけば飛躍は確実 少なくとも来年の参議院選挙までは国民民主党は「ゆ党」路線で行くべきだ。自公と距離感を保ちつつ、「政策の実現」に実績を残せれば、「政治はレバレッジだ」と国民も気づき、参議院選挙でも玉木さんに期待が集まると確信する。 立憲がオールド民主党に逆戻りして人気が出ないのは明らか。ここは更なる飛躍のチャンスだ。 自民は過去の経験から野党勢力の「一本釣り」を始めるだろう。既に、非公認組4名+三反園訓(元鹿児島県知事)+広瀬建(元大分県知事次男)の6名に加え、鉄板の無所属組6名に触手を伸ばしているとの情報もある。 ガタガタになった維新も、無論、ターゲットである。自民党の霞が関と結託した組織防衛本能をみくびってはいけない。 自民系無所属に12名加えると233議席となり、国民民主党のレバレッジを削ぐことができるのだ。 自民候補と熾烈に戦って勝ち残った非自民議員に「腐っても鯛」のブランドは、結構甘い蜜になることがある。 国民民主党は私の定義では「第三極」ではない。しかし、玉木さんは、明らかに第3極のイメージで、衆議院の完璧なキャスティングボート勢力を作った。 みんなの党が2013年の参議院選挙で18議席を確保(自民は過半数に8議席不足、公明の20議席に依存)し、「影のレバレッジ勢力」となったのとは大違いだ。 私は日本の成長経済を取り戻すため、消費増税を先送りするテコの原理を考えた。しかし、増税は野田佳彦政権でタガが嵌められており、絶対、表沙汰にできない話だった。 表でチャンスが訪れたのは特定秘密保護法案。安倍官邸から修正案の提示を求められた。みんなの党の正式決定として修正案を作った。 当時、第一次安倍内閣の安倍さん・菅義偉さん・塩崎恭久さんと私の4人で年に2~3回、談論風発「Abbey Roadの会」をやっていた。ビートルズのアレだ。 2013年11月、そこで修正案を提示した。次の日から修正協議が始まり、瞬く間にみんなの党案が採用された。 私と安倍さんとの個人的信頼関係は良好だった。後日聞かされたことだが、安倍さんは連立の組み替え(自公+みんな)も考えていたという。 増税延期の「政策実現」を私は優先した。しかし、自民と戦う次の選挙を優先するみんなの党議員の内部対立は日増しに激しくなり、とうとう分裂にいたる。 「政策の実現」や「誰と組むか」の前に「何をやるか」が大事だ、と今でも思っている。