キャラクターデザインにバグ発見 ゲーム市場成長のカギはAI【WBS】
国内のゲーム市場の規模は、今や2兆円を超えると言われています。ゲーム市場がさらに成長するための鍵の一つとして注目されているのがAI(人口知能)で、制作の現場では既に活用が始まっています。その実力を取材しました。 9月26日~29日まで開催された国内最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ」。最新作のPRなど各社とも演出に熱が入る中、今業界で大きく注目されているのがAIです。AIをゲームに活用する流れは加速していて、その市場規模は6年前の5.5倍に上ると推計されています。AIはゲーム作りでどのように役立っているのでしょうか。 「AI Frog Interactive」が取り入れているのは、キャラクターを作る際にデザインなどをAIに提案してもらうというものです。例えばまだ衣装が決まっていないキャラクターに「チャイナドレスを着せたい」とAIにリクエストを出し、30秒ほど待ってみるとイラストが提案されます。 「最初のアイディアを出したり、絵を描けない人でも作れる」(「AI Frog Interactive」の新清士CEO) 去年設立されたばかりのこの企業。従業員4人だけでゲーム作りに挑まなければならないため、キャラクター作りを支えてくれるAIの存在は欠かせないと言います。 「AIが入ることで1~2人分ぐらいのスキルに近い人間を雇っているのと変わらないぐらいの効果がある」(新CEO) 他の分野でAIを活用している企業もあります。デバッグ、つまり発売前のゲームの不具合を見つける作業で、AIの力を借りているというのです。例えばスマホのゲームアプリでキャラクターを入手する画面。従来は人の手で同じ操作を繰り返し、不具合がないかを確認していましたが、この作業を人間に代わりにAIが担っているのです。 グラフィック技術の向上でゲーム表現の幅は広がる一方、発生する不具合の量は増えているため、AIへの期待は高まっているといいます。 「人間が働けない時間帯。1日8時間しかテスター(人)は働けないが、AIは残り16時間働いても何も文句を言わない。期間が短縮できるので納期に対して大きく短縮できるのは大きなメリット」(「AIQVE ONE」の山崎太郎社長) 今後も拡大が見込まれるゲーム市場。AIの活用は定着していくのでしょうか。 「AIはゲームビジネスにおける効率を向上させる技術だと判断しているので、AIの活用は増えていくと思う」(コンピューターエンターテインメント協会の辻本春弘会長) ※ワールドビジネスサテライト