「お金をかけずに留学したい」 奨学金を獲得した学生が、応募書類に書き込んだ「計画」
就職活動はドイツから
――留学先で大学4年生になりました。日本にいれば就職活動の時期と重なります。 高校生のころから、グローバル企業に就職して、海外で働きたいと漠然と考えていました。実際に留学したことで、「日本の食品を海外に広める小売業に就きたい」と思い、22年1月、ドイツからアマゾンジャパンに応募しました。アマゾンジャパンにはJETROと共同で日本企業の海外進出を支援するプログラムがあり、まさに私の留学の目的と重なったのです。 ――海外にいても日本の就職活動ができるのですか。 アマゾンジャパンの選考はオンラインなので、海外にいても可能でした。せっかく海外にいるのにパソコンに向かって就職活動するなんてもったいないとも思いましたが、だからこそ本当に行きたい企業に絞って就活しました。 面接官は海外にいる私に興味を持ってくれたようでした。面接では留学中に直面した壁をどうやって乗り越えたのか、具体的なエピソードをあげてわかりやすく話すことを心がけました。4月に内定をもらい、その後は卒論を仕上げるために時間を費やすことができました。 ――留学経験が、グローバル企業で活躍する重要なステップとなりましたね。留学を通じて最も学んだことはなんでしょうか。 自己アピールの大切さです。留学先では自分から積極的に他人に話しかけることで人脈が広がり、自分ができることも変わりました。私は日本にいるときはおとなしいほうでしたが、ドイツでの大学生活や課外活動を通じて身につけた自己アピール力は、就活で有利に働いたと感じます。留学中は手厚い奨学金のおかげで、学費、生活費、渡航費、医療保険など、ほぼ自己負担なく過ごすことができました。海外で追究してみたいテーマを持つ大学生や高校生の方は、ぜひ奨学金留学に挑戦してほしいと思います。 ■話を聞いた人■ アマゾンジャパン 菅野胡桃さん 出身大学:筑波大学社会・国際学群 留学先:ドイツ・ケルン大学 グローバルスタディプログラム 留学時期:2021年10月~22年10月 1年間 利用した奨学金:「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」 渡航時の語学力:英検準1級、IELTS5.5
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