「お金をかけずに留学したい」 奨学金を獲得した学生が、応募書類に書き込んだ「計画」
国際見本市でボランティア
――ドイツにはいつ渡航したのですか。 大学の授業は10月に始まるため、9月に行きました。 留学が決まって直面した問題が寮探しです。ちょうどケルン大学の授業がオンラインから対面式に切り替わった時期と重なり、ケルン市内の学生寮に空きがありませんでした。母のつてをたどってホームステイ先を探したり、市の担当者に相談したりしました。ようやく見つかったドミトリーは、男子学生とバスルームが共同でした(笑)。日本での常識が、ドイツでは当たり前ではないことを痛感しました。しかも、留学先の大学はサポートしてくれません。自分で全てやらなくてはいけなかったので、大変でした。 ――「トビタテ!留学JAPAN」は選考の際、インターンやフィールドワークなどの留学先での課外活動が重視されます。現地ではどのような活動をしましたか。 ケルン大学でヨーロッパの文化の多様性を学びながら、最も力を入れたのが、日本貿易振興機構(JETRO)のデュッセルドルフ事務所での課外活動です。JETROは、ヴィーガン向けの商品を扱う食品会社が多く出展する国際見本市を主催しています。私は筑波大学で1年のときから日本の事務所を通じて、「デュッセルドルフでインターンとして勉強させてほしい」とお願いしていました。留学中の就業やインターンは国によってかなり制限されていますが、ボランティアとして受け入れてもらえました。トビタテ生が最も苦労するのが、この課外活動先を見つけることだと思います。 私は、2カ月に1度ほど開かれる食品見本市にボランティアとして参加し、ヴィーガンの新商品を見て回ったり、ドイツの食品会社の担当者にインタビューしたりしました。日本のしょうゆメーカーと海外のバイヤーとの商談を見学する機会にも恵まれました。並行して市内のスーパーでの市場調査や、ヴィーガンの大学生への取材も重ねました。1年間でかなりの数のサンプルが集まり、帰国後、卒論にまとめることができました。ケルン大学の単位を取りつつ、課外活動を行ったのでとても忙しかったです。