地方で「フリーター」って厳しいですか? 時給「1000円以上」なら、物価が高くても東京に出たほうが楽に暮らせるでしょうか?
地方在住のフリーターにとって、東京をはじめとする都市圏に比べて時給が低いことを不満に思うこともあるでしょう。 より高い時給を求めて東京への移住を考えている人もいるでしょうが、時給1000円以上が当たり前の東京と約900円の地方とではどちらが良いのでしょうか。地方と東京の時給と生活費の違いを比較し、東京に出たほうが良いのか検証していきます。
岩手と東京の最低時給と差額
地方在住のフリーターが東京への移住を考えるきっかけの1つに、時給の差が挙げられます。東京の最低時給は、地方と比べてかなり高く設定されているため魅力を感じることでしょう。 具体的に2023年10月からの最低時給を比較してみましょう。東京の最低時給は1113円に対して、岩手県の最低時給は893円です。差額は約220円と2割以上も開きがあります。全国的に見て東京の最低時給が高いのは周知の事実です。 一方、岩手県は最低時給が最も低い県です。全国平均の1004円に比べて100円程度低いのが実情で、時給ベースで見れば「東京のほうが稼げる」と思わせる大きな理由になっています。
1人暮らしの平均生活費はどのくらい?
東京と地方では、賃金に差がありますが、その一方で生活費の差が大きいのが現状です。東京は物価が高いため、収入の多さとは裏腹に生活費もかさんでしまうでしょう。 生活費の中でも特に大きな出費が、食費をはじめとする「生活費」です。東京で1人暮らしをする場合は月々約18万円の生活費がかかるのに対し、岩手県は14万円と大きな開きがあります。物価が高い東京都では、岩手県よりも1.3倍程度多く生活費がかかる計算です。 また地域によって家賃相場も違います。1Kを例に東京都と岩手県を比較すると、東京都杉並区の家賃相場が7万6000円なのに対し、岩手県盛岡市では4万7000円で違いは1.6倍です。また、1人暮らし人気が高い新宿区の家賃相場は9万5000円とさらに高く、盛岡市の2倍となっています。 それぞれの地域の最低時給に照らし合わせて計算すると、生活費を賄うために必要な労働時間は東京都で約162時間、岩手県で約157時間です。