大切な人を亡くした悲しみをカラフルに塗り替えていく、不器用な父娘の物語 映画『SCRAPPER/スクラッパー』
母を亡くし、1人で生きる12歳の少女のもとに音信不通だった父親が突如現れたことから始まる、父娘の共同生活を描いた映画『SCRAPPER/スクラッパー』。この度、本作の予告映像とポスタービジュアルが公開された。 本作は、カラフルなビジュアルセンスと優しくもエモーショナルな親子のドラマが評判を呼び、サンダンス映画祭2023ワールドシネマドラマ部門で審査員大賞を受賞、英国アカデミー賞2024では『関心領域』『哀れなるものたち』『ナポレオン』と共に英国作品賞にノミネートされ、米アカデミー賞の前哨戦の一つであるナショナル・ボード・オブ・レビューではインディペンデント映画トップ10に選出された。 手掛けたのは、マイケル・ファスベンダーの制作会社DMCフィルムズに才能を見出され、本作が長編デビューとなる1994年生まれの新鋭シャーロット・リーガン。10代の頃からMVの監督を務め、これまでに200本以上を手掛けてきた若き逸材。 主演のジョージー役に、リーガン監督に見いだされ本作でスクリーンデビューを果たしたローラ・キャンベル。さらに、一人娘ジョージーと親子関係を構築しようとする不器用な父親ジェイソン役には『逆転のトライアングル』『アイアンクロー』など話題作への出演が続くハリス・ディキンソン。 母を亡くし、ひとりぼっちになった12歳の少女ジョージーは、ロンドン郊外のアパートで独り暮らし。親友のアリ(アリ・ウズン)と自転車を盗んでは転売して日銭を稼ぎながらたくましく生きていた。その一方で、母が遺したホームビデオを再生して孤独と哀しみを耐え忍ぶ日々。そんなジョージーのもとに突然、行方知れずだった父親、ジェイソンが現れる。「母親を亡くしたお前に会いに来た」と言うジェイソンだが、「12年間一度も会いに来なかったくせに」と複雑な気持ちのジョージー。 この度公開された予告映像では、お互い別々に過ごした年月を埋めるように、ぎこちないながらもともに時間を紡いでいく愛おしい2人の姿が映し出される。 この度公開された予告映像のナレーションは、小川紗良監督の『最期の星』映画デビューを果たし、深田晃司監督の『よこがお』などに出演、東かほり監督による映画『とりつくしま』の公開も控える、俳優の小川未祐が担当した。 映画『SCRAPPER/スクラッパー』は、2024年7月5日(金)より全国公開。
otocoto編集部
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