箱根駅伝の勝敗を握る5区「山の神」は誰になる!
細谷が神野タイプなら前回区間4位(1時間14分07秒)の早大・安井雄一(4年)はどちらかというと柏原竜二に近いタイプといえるかもしれない。身長は細谷と同じ170センチで、体重は6キロ重い57キロ。 パワーでグイグイと上っていく。前々回に現行より2.4km長かった5区を1時間21分16秒で走破していることを考えると、前回は物足りないタイムだった。大平台(7km地点)の通過タイムが11番目と序盤で波に乗ることができなかったのが原因だ。 安井は来年2月の東京マラソンへの出場を予定しており、今季は昨季以上に走り込んできた。「1時間12分切りの準備はできています。近年の箱根は、総合優勝するためには往路優勝が必然になっている。自分の走りをしっかりして、区間賞と往路優勝の2つを手にするのが僕の仕事かなと思っています。できれば、後続に1~2分差をつけたいです」と意気込んでいる。 安井の持ち味は下りにも強いことだ。前回も終盤の下りでトップ青学大を猛追している。主将として名門ワセダを率いているだけに、今回は往路Vを目指して、攻めの走りを見せてくれるだろう。 「細谷vs安井」。タイプの異なる4年生の区間賞争いはおもしろくなりそうだ。しかも、今回“3強”と呼ばれる青学大、東海大、神奈川大は「初挑戦」となるクライマーが入ることになりそうで、5区は計算しにくい。中央学大と早大は山で一気に順位を上げて、トップを奪う可能性もある。 では“3強”の5区はどうなのか。青学大は補欠登録された下田裕太(4年)が起用されることになれば爆発力が期待できるだろう。箱根は8区で2年連続の区間賞。昨年の東京マラソンを2時間11分34秒で走っており、実力を考えると期待値はすこぶる大きい。ただし、過去にエース級が何人も5区に挑んできたが、不発に終わったケースも少なくない。 東海大は前回4区の松尾淳之介(2年)を登録。両角速駅伝監督は「1時間13~14分」という目標を立てている。神奈川大は3000m障害をこなす荻野太成(2年)の起用が有力だ。大後栄治監督は「条件が良ければ1時間10分台。1時間13分ではまとめたい」と自信を持っているが、どうなるのか。