箱根駅伝の勝敗を握る5区「山の神」は誰になる!
他にキャリアがあるのは、前回安井と5秒差の区間5位で走った順大・山田攻(3年)と、前々回区間7位と好走した東京国際大・濱登貴也(4年)だろう。山田は身長160センチ・体重50キロ、濱登は164センチ・48キロ。ともに小柄で、「上りのスペシャリスト」ともいえる選手たちだ。 加えて「名前」も5区向き。快走した場合、スポーツ紙を賑わすことは間違いない。あと補欠登録の東洋大・山本修二(3年)も5区での起用が濃厚だ。今季大きく成長した選手で、前回の2区からコンバートするということは、よほど自信があると見ていいだろう。 ダークホースとしてはかつて「山の大東」という異名をとるほど名選手を輩出してきた大東大の選手を挙げたい。奈良修監督は「区間新を狙える」と話すほどで、その候補が箱根5区で2度の区間賞を獲得した奈良監督の長男・凌介(2年)と、同区間で4年連続区間賞の偉業を果たした大久保初男の長男・陸人(3年)だ。 山梨学大・上田健太(4年)も前回に続いて5区に登録された。父・上田誠仁監督は順大時代に5区で2度の区間賞を奪っており、“二世対決”がさらに山を熱くする。 前回は区間トップが1時間12分46秒と低調に終わったが、ほぼ同じ距離で争われた第76~81回大会(00~05年)では、順大・今井正人(現・トヨタ自動車九州)が1時間9分12秒というタイムを叩き出している。旧コースの歴代2位は東海大・中井祥太の1時間11分29秒。1時間10分を切ってくると「山の神」と呼ばれるほどのインパクトを残すことができるだろう。誰が“神の領域”に近づくことができるのか非常に楽しみだ。 (文責・酒井政人/スポーツライター)