名球会ブレザー授与式で岡田監督から花束を受け取る藤川球児氏（左）＝2023年5月、甲子園球場

【川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白】 阪神タイガースはクライマックスシリーズ（CS）ファーストステージで、3位DeNAに0勝2敗で残念ながら敗退…。岡田彰布監督は今季限りで勇退し、新監督には〝火の玉守護神〟こと藤川球児球団本部付スペシャルアシスタントが就任することとなりました。 【写真】中居正広とトークを楽しむ藤川球児新監督 私の店にやってきたお客さんらも早過ぎる終戦に当然の落胆でしたが、来季への希望を早くも見いだしたのか、店内では「頑張れ、頑張れ、球児！」の大合唱が発生。あまりの熱量に圧倒され、慌てて記念の動画を撮ったほどでした。 振り返れば、7月の巨人対阪神OB戦（東京ドーム）で球児に会った際、「ジリさんには現役時代、本当にお世話になりました。悪いことばっかり教わって…」ときつい挨拶をお見舞いされた私。こちらが「次の監督は球児、お前がやれよ」とやり返すと、本人は「まだ球団にいるんで、そのへんは…」と照れくさそうにしながら、顔には「チャンスがあれば監督をやる」と書いてありました（笑）。同じく参加していた掛布雅之さんに、「打者のことを教えてください」と裏で熱心に聞いたりもして…。 昨季はリーグ優勝と日本一、今季も2位と好成績を残した岡田監督の後任ですから、球児にかかる重圧は相当でしょう。現役時代の実績は申し分なくても指導者経験はなし。それでも、球児のように1軍監督を目標にしてきた人物ならいいと、私は思っています。 今季優勝した巨人の阿部慎之助監督は就任1年目の栄冠でしたが、過去には2軍監督など指導者を歴任。それに比べて球児は…ということでしょうが、指揮をどううまくやるかは結局センスがあるかないか。正直、指導者歴なんて関係ないと思ってます。来年の阪神は球団創立90周年。戦力はあるのですから、阿部巨人を倒して就任1年目からV奪回を決めてほしい。 岡田監督は体調不良もあって、最後はセレモニーなしの寂しい辞め方になりましたが、実際は円満ではないとか…。まあ今さら何を言っても仕方ありません。フロント入りする岡田監督と、藤川新監督が〝いいお付き合い〟ができるよう願っております。　（元阪神投手、スポーツバー店主）