明日開幕のJリーグは「トップ6」の混戦模様
韓国代表として2度のW杯に出場し、ロンドン五輪ではオーバーエイジとしてゴールマウスを守ったGK鄭成龍の存在が、期待されながらタイトルに無縁だった歴史を書き換える起爆剤になると力を込める。 「かなりの活躍を演じると見ている。GKのビッグセーブが試合の流れを変える傾向は、現代サッカーでますます顕著になっている。3年連続得点王の大久保嘉人を中心として、川崎の前線は放っておいても点を取れる。その意味で、鄭の加入は本当に大きい。1試合に2度ほどのビッグセーブを演じれば、ここ一番で勝てるチームに変わると思う」 実力が拮抗している「トップ6」から抜け出すための条件として、水沼氏は「直接対決で確実に勝つことと、昇格チームに取りこぼさないこと」と指摘する。昨シーズンの上位3強の軌跡を振り返れば、湘南、松本山雅FC、モンテディオ山形の昇格組から、いずれも5勝1分けとしっかり勝ち点を稼いでいる。 「これまでのシーズンと比べて昇格チームのレベルが高い。大宮アルディージャとジュビロ磐田はJ1にいてもおかしくないチーム力をもっているし、アビスパ福岡も勝ち点で磐田と並びながら得失点差でJ1昇格プレーオフへ回り、勝ち抜いてきた点で、J2の6位から昇格を果たしたチームとは違うので」 開幕戦から広島‐川崎、G大阪‐鹿島と「トップ6」による直接対決が組まれ、FC東京は昇格組の大宮と対峙する。浦和以外の5チームの指揮を日本人監督が執っている点を含めて、17試合で頂点を争う短期決戦は興味の尽きない激突が毎週末のように繰り広げられていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)