明日開幕のJリーグは「トップ6」の混戦模様
「ドウグラスが自分でいくだけのタイプだとすれば、ウタカは周囲も上手く使えるという点で広島での評価がすでに高いと聞いている。浅野拓磨も出場時間が増えれば昨シーズンの8ゴールからプラスアルファが見込めるし、守備のベースが安定しているから大崩れすることも考えられない。茶島雄介や宮原和也といった若手も伸び、層も厚くなった点を含めて、森保一監督のマネジメント力を感じさせる。 アデミウソンは多彩なテクニックに加えて、前への推進力も兼ね備えている。広島に負けた先のゼロックススーパーカップでは上手く機能しなかったが、宇佐美貴史とは感覚的な部分ですごく合うと聞いている。狭いスペースのなかで2人がコンビネーションを発揮できれば、G大阪の攻撃力はさらにアップするし、対戦相手の脅威になってくると思う。 就任5年目のミハイロ・ペドロヴィッチ監督のもとで勝ち点を年々伸ばし、総得点や総失点といった数字も改善されている浦和に求められるものは、内容よりも結果となる。昨シーズンもチャンピオンシップで弱さを出してしまったが、大一番へ平常心で臨むのではなく逆にとことん意識するなど、メンタル面をさらに突き詰めていくしかないのではないか。戦力的には十分にそろっているので」 追う側の3チームを見ると、FC東京は「トップ6」のなかで唯一、オフに指揮官が交代している。2009年シーズンにナビスコカップ制覇をもたらした城福浩監督が6年ぶりに復帰。ロンドン五輪で銅メダルを獲得したU‐23韓国代表を縁の下で支えた、池田誠剛フィジカルコーチを迎えてACLを並行して戦うためのコンディション作りを託した。 昨秋のナビスコカップを制し、3年ぶりのタイトル獲得で常勝軍団復活の狼煙をあげた鹿島は、一度はレンタル元のポルティモネンセへ復帰した日本代表FW金崎夢生を、2月になって完全移籍で獲得。キャプテンとして湘南ベルマーレのJ1残留を支えたMF永木亮太も、2年越しのオファーに応えて加入した。 「城福監督はかつてFC東京を率いたときには真逆の、いわば耐えるサッカーをヴァンフォーレ甲府で貫いたことで指揮官としてのメンタルが変わり、采配の引き出しも多くなった。イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ前監督のもとで昨シーズンまでに築かれた守備のベースがあるだけに、攻撃面がプラスアルファされれば非常に楽しみな存在となる。 金崎の復帰は、鹿島にとってはまさにサプライズ的な補強になった。2列目とワントップはメンバーも多彩で、U‐23日本代表の守護神・櫛引政敏が加わったGKを含めて、激しくなったポジション争いがチーム力をも引き上げる。不安点をあげるとすれば、柴崎岳が虫垂炎で、永木が右太ももの故障で出遅れているボランチとなるだろうか」 こう指摘する水沼氏は、最も補強に成功したチームとして川崎をあげる。